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エッセイ・コンクール

第1回エッセイ 過去の受賞作品を紹介いたします

最優秀賞

独りじゃない子育て 河村理江子【大阪府】

我が家には七歳の娘と二歳の息子がいます。事情があって、それぞれの出産の際に私は里帰りをしませんでした。
 上の子の出産の後、退院と同時に主人と私、娘の三人での生活がスタート。家事も育児も協力的な主人なのでなんとか乗り越えることが出来ましたが、娘はほとんど寝ないし、よく泣くし、とにかく当時の私には「手のかかる子」でした。それは自分達で全てを背負い込み、余裕のない子育て状態に陥っていて、娘はそんな私達の心の内を敏感に感じ取り、神経質になっていたのかもしれないと、今なら素直に認めることが出来ます。
 ようやく娘が幼稚園に入園し、下の子を授かることが出来ましたが、やはり出産後のことが気がかりで仕方ありませんでした。しかし、そんな時、なんとご近所の幼稚園ママ達が、里帰りできない私達家族の為に役割分担をしてくれ、私達の生活が落ち着くまでの間、ありとあらゆることをサポートしてくれたのです。
 入院中は娘の送り迎えや、主人が帰るまで預かってくれ、晩ご飯やお風呂も済ませて後は寝るだけの状態にしていてくれた友達。退院後、幼稚園の送迎や、帰宅後に夕方まで預かって、娘が寂しくないように遊ばせてくれた友達。買物や「たくさん作ったから食べて」とご飯を持って来てくれた友達。まるでドラマでも見ているかのような素晴らしい連携で、本当に涙が止まらないくらい嬉しく、心も体も癒され助けられた日々でした。
 また、「直接何かを手伝うことは出来ないけど…」と励ましや心配のメールや電話をくれる友達もいました。実際に手伝ってもらったことはもちろんのこと、皆のそういう配慮が大変嬉しく、また驚きでもありました。
 おかげで精神的に落ち着いて日々過ごせた娘は、赤ちゃんにたっぷりの愛情を示すゆとりも持てました。
 娘の時は「自分の子なんだから、何でも自分でしなくっちゃ」と意気込んで、強がって、誰かに手伝ってもらうことが出来なかった私。その頑張りの悲鳴が子育てへの不安につながっていたのも事実です。今回、無理するよりも「お願い」と求めることの重要性も実感しました。せっかくサポートしてくれようとしても、当の本人が拒絶していては何にもなりませんから。
 我が子達は周囲の皆に守られ、健やかに成長しています。今後、私は私なりの方法で恩返しをしていきたいと思います。そして、子供達には「あなた達は家族だけではなく、たくさんの人に愛され、助けられて大きくなったんだよ」と伝え続け、感謝と喜びの気持ちを忘れずに大人になってほしいと思います。
 最後に、「独りじゃない子育て」の環境に恵まれ、救われた私達のような家族が、もっともっと増えることを願ってやみません。

【受賞の言葉】
「どうしても私の体験を伝えたい!」という思いから応募したコンクールで、このように素晴らしい賞を頂くことができ、本当に嬉しく思います。この受賞の喜びを胸に刻み、今後の自分の子育て、さらには地域での育児等の活動に励んでいきたいと思います。


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