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女性研究者への支援

第1回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

麻生典子【日本女子大学大学院 人間社会研究科】

研究テーマ:乳児に対する母親のネガティブタッチ評定尺度作成の試み=児童虐待予防の観点から=

 授乳時の「くすぐり」など子どもの欲求にそぐわないタッチと母親の精神的健康との関連を検討します。ネガテイブなタッチングの尺度化により、潜在的児童虐待のスクリーニングを早期に行い、子育てに悩む母親への支援を充実させていきたいと考えています。

【受賞の言葉】
 このたびは、私どもを「スミセイ女性研究者支援」の対象者に選んでいただき誠にありがとうございました。これまでの育児と研究の両立経験と今後の研究への期待が、このような評価に結びついたと大変光栄に思っております。

受賞後の様子

【日本女子大学人間社会学部 2008年時点】
上の子を出産してから11年間、常に子育てと研究活動の両立に葛藤を抱いていました。経験上感じるのですが、「研究は集中力」で「子育ては余裕」が必要であり、両者には相容れない側面があるように思います。しかし、似ているのは、両方ともすぐには結果があらわれない孤独な作業だということです。それゆえ、人格的にバランス感覚が保てていないと、両立に行き詰まりを感じることも多いと思います。私自身も、研究も子育ても中途半端になるくらいなら、いっそ子育てに専念しようかと思うこともありました。しかし、スミセイの助成をいただいたことで、研究も子育ても両方捨てられない、自分自身の生き方を承認されている気持ちになりました。自分のペースで、自分らしく研究と子育てをやっていけばいいのだと、前向きな気持ちを持ち続けることが出来ました

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 本助成により、研究環境は大幅に改善され多くの成果が得られました。研究助成をいただいたことは、社会的信用を高め、各研究機関や育児期のお母さま方など多くの方々にご協力いただくことができました。また、2010年3月に日本女子大学より博士号(心理学)の学位を取得し、さらに、学業と人物が優秀な人材に授与される成瀬仁蔵先生記念賞も同時にいただきました。本プロジェクトの助成により行ってきた研究活動によって、今後の“タッチ”研究の方向性について、より明確なビジョンを描くことができました。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 保育園の入所申請にあたって、本助成は、就労と同等の評価を受けることができ、継続的に保育園を利用することができました。また、子どもが病気をしたときや週末にも、費用を気にすることなくベビーシッターを利用することができました。
◆女性研究者の環境改善
 女性研究者にとって、いつ出産するか、その後どのようにして育児と研究を両立するかは重要な問題であり、多くの女性研究者がそのことを不安に思っています。出産後も研究を継続しているモデルケースを増やし、両立している女性研究者の存在を広く社会に周知していく必要があると思います。


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