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女性研究者への支援

第1回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

藤田嘉代子【大阪大学大学院人間科学研究科】

研究テーマ:男性の家事労働に関する実証的研究

 家事・育児をどのように行っているか、子育て中の母親にインタビューしたことがあります。多くの母親が独力で子育てをしている一方、かなり分担している家庭もあり、やはり男性向けの調査もやらねばと思うに至り、助成金に応募しました。何を家事と見なすのかはジェンダーによって大きく差があります。本研究もインタビューにて調査を実施する予定です。

【受賞の言葉】
 私が現在の大学院に入ってからは、出産と育児、近親者の介護というように家族の状況にめまぐるしく翻弄された5年でした。このたび「未来を築く子育てプロジェクト」の女性研究者支援の対象に選んでいただき、この経験を自身の家族社会学のテーマとして落ち着いて取り組む機会を得ましたこと、大変うれしく思っています。

受賞後の様子

【大阪大学大学院人間科学研究科 2008年時点】
 子どもを育てる研究者予備軍として、従来から大きな悩みであった、「研究と子育ての両立」は本助成によって、かなり改善されたと思います。助成金とは直接的な関係がありませんが、今の若手研究者が直面している問題を、子育て中の女性研究者も同様に共有しているということです。助成金を得るということはまさに第一義的には経済的な支援ですが、それだけでなく、女性研究者のキャリアをどうつくっていくかという部分の支援に、今後つながっていけば、と思ったりします。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 子育て中の家庭での、家事・育児分担を調査した結果、父親の家事分担は作業手順が明確なフィジカルなものに偏り、予定の管理などメンタルな仕事や、子どもにかかわる部分のほとんどが妻の仕事になっていました。これらの結果は、「家事労働再考―マネジメントの視点を中心に―」(『女性学年報』31号、日本女性学研究会・女性学年報編集委員会)において一部発表しています。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 自分自身の育児環境から、多くの育児中の家庭が直面している困難に思いをいたすようになり、非常勤の授業でも取り上げ、意識的に地域の子育てネットワークをつくるようになりました。また、夫も子どもにいっそうかかわるようになり、以前に増して協力的になりました。
◆女性研究者の環境改善
 夫や親の援助もなく保育園にも入れられない研究者が、子育てに追われ大学から孤立しないようなネットワークづくりが大切だと思います。学内保育園や、研究を助言する先輩とつながりをつくり出す試みなど、大学に行けば受けられるサービスはありますが、大学まで行かなくても研究環境が整うサテライトオフィスのようなものがあればと思います。


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