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女性研究者への支援

第2回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

パイチャゼスヴェトラナ【北海道大学大学院 国際広報メディア研究院】

多文化・多言語教育政策と教育現場の現状 (ボリビア、ヨーロッパと日本の比較分析)

 海外での事例をもとに日本の外国語・国際理解教育施策、外国人受け入れ施策を考察、分析し、日本の多言語多文化教育の新たな基準のあり方を示し、カリキュラム開発について提案したい。イギリスでは東ヨーロッパからの移民の受け入れが進んでおり、現在連絡を取り合って調査を進めている。国内でも海外からの受け入れが進んでいる大阪などの地域の調査を進めたい。また、北海道で行っている外国人児童サポート・国際理解教育の発展のための活動も充実させたい。

【受賞の言葉】
 今の研究テーマは、日本で子どもが生まれたから行うようになり、家族がいるからこそ研究を続けたいと思います。このたびは、「スミセイ女性研究者支援」の対象者に選んでいただき誠にありがとうございました。よりよい結果を出せるように頑張りたいと思います。

受賞後の様子

「日本の多文化共生作りを親子ともども頑張りたい」  この研究でのデータ収集方法は、現地調査にほかなりません。子育て中の研究者が現地調査を行う際には、子ども連れで調査を行わなければならず、それは、精神的にも不安があり、経済的にも負担が大きいものです。今回、「未来を築く子育てプロジェクト」の助成を受けたことで、「子ども連れ」の現地調査を無事に行うことができました。  子どもたちは多文化教育の調査に同行することで、多文化共生を実際に見て、それぞれの地域で2つ以上の言語を話し、多文化的なアイデンティティを持っている人たちと会うことができました。これは母国語継承や日本語の勉強にも前向きな影響を与えたようです。  これからも日本の多文化共生作りを親子ともども頑張りたいと思います。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 本研究は、北海道の多文化共生に基づいた多文化教育政策モデルの第一歩です。2011年2月に本研究をベースとして、長女が通っている札幌市の小学校で、北海道大学の留学生も参加した、「なるほど・ザ・食ワールド」というテーマで国際理解の授業を行い、参加者の母国の食文化を比較しました。子どもたちは積極的に授業に参加し、図書やインターネットを使用しながら各国の情報を調べていました。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 現在は、子育てと研究のバランスが取れた環境にいます。娘たちは、各国での調査に参加することで、多文化共生の姿を実際に見ることになり、それぞれの地域で二つ以上の言語を使う多文化的なアイデンティティを持っている人たちと会うことができました。これは子どもの継承言語(ロシア語とスペイン語)や日本語の勉強にもポジティヴな影響を与えました。今後とも日本の多文化共生作りを親子ともども頑張りたいと思います。
  ◆女性研究者の環境改善
日本社会は子どもを持っている女性研究者の理解が浅いと思います。研究者にとって、職場(大学)にいる時間と研究結果は直接関連しているものではありません。母親にとって、子どもと一緒にいる時間はとても大切で、早く帰ってふれあう時間も必要ですし、病気のときには仕事を休んででも一緒にいてあげなければなりません。それが「子ども」と「親」の関係です。こうした事への理解が不十分で、これからも、社会への働きかけが必要だと思っています。


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