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女性研究者への支援

第3回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

渡辺明美【早稲田大学大学院 アジア太平洋研究科国際関係学専攻 博士後期課程】

自立発展性を目指した教育協力に対するプロジェクト形態別比較研究

 日本のODAの理念は「途上国のオーナーシップを尊重した自助努力支援の重視」である。援助終了後、プロジェクトが発現した効果が持続、或いは持続の見込みがある、という自立発展性の視点は重要であり、途上国のオーナーシップに大きく関係する。しかし近年、援助のモニタリングや評価の重要性が叫ばれ、目標の達成度を重視する成果主義が高まっている。故に自立発展性や持続性よりも、援助の有効性や効率性、インパクトに重きがおかれていると考える。以上の背景から、中でも社会的、経済的、文化的背景からの影響を受けやすい教育協力分野を対象とし、自立発展性を目指したプロジェクトについて考察し、今後の援助政策に対し提言を行う。

【受賞の言葉】
この度は助成対象者に選んでいただき、大変感謝申し上げます。海外での調査や学会発表などで経済的な負担が大きく、子どもの手術も重なり精神的にも辛い状況でしたが、この受賞が大きな励みとなりました。子育て中の女性研究者が身近におらず不安や悩みもありましたが、このプロジェクトを通じ同様に頑張っている方々を知り、大変心強く思いました。プロジェクト関係者の皆様、先生方、家族全員に感謝いたします。研究テーマである国際教育協力は子どもが対象であるため、自らの育児経験を活かし、実りのある研究成果を出したいと思っております。

受賞後の様子

園の親子遠足(新宿御苑にて)  受賞を機に、全国紙に掲載いただいたおかげで、大学時代の友人や大学関係者のママ友、親戚からお祝いの連絡を受けました。また、早稲田大学の男女共同参画推進室HPに掲載されると共にインタビューの依頼もありました。同じ研究室の後輩が本年度応募をするなど、受賞による影響の大きさを感じています。
 子育て環境にも大きな変化がありました。以前の保育園には3才時クラスがなかったため、新たに文京区にある幼保一元化の園に入園することになりました。それまでに比べ、送迎にかかる時間が長くなるとともに、園行事への親の参加が必須で頻度が高いため、時間的な制約が発生することになりました。現在は、園への送迎と園行事の参加を主人と手分けをして行っています。
 主人や母の協力があってこそ研究活動が可能なため、大変感謝しています。周りへの感謝の意味からも、よい研究成果を生み出せるよう頑張っていこうと思っています。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 資金的な援助で研究環境が整い、精神的に余裕をもって研究に励むことができるようになりました。受賞により「研究を続けていい」と認めていただいた思いが強く、自信と安心を持って研究に取り組めるようになりました。家族に迷惑や負担をかけているのではと悩むこともある女性研究者に目を向け、子育て支援を行っているこのプロジェクトがあることは大変心強いです。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 昨年7月に第二子を出産し、主人と分担して育児を行っています。2人目の保育園代にも助成金を使わせていただくことができ、安心して子どもを預けて研究を行うことができました。この助成に応募した時、主人は病気療養中、娘には心臓の手術があり、精神的に大変な時期でしたが、今は家族全員が健康に過ごしており、研究も続けることができています。私のように様々な理由で困難な状態にいる方に、是非本プロジェクトを知っていただきたいです。
◆女性研究者の環境改善
 子育てしながらの研究には保育園が必要ですが、研究からの収入がない場合はその費用の捻出も大変です。行政のサポートが追いついていない現況には、所属する研究機関のサポートが必要だと思います。私の場合は、ありがたいことに大学に保育園が併設されており、男女参画室には子どもを持つ女性研究者同士の交流や情報交換の場が設けられていました。背景には社会人学生や留学生が増えており、子育てしながら研究を行っている女性が多いことがあげられます。研究機関によるサポートが少しずつ充実し、女性研究者の環境が改善していくことを望んでいます。


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