ホーム > 住友生命について > 住友生命のCSR > 豊かな社会づくり > 少子化・子育て > 未来を築く子育てプロジェクト > 女性研究者への支援 > 第4回受賞作品

女性研究者への支援

第4回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

ハタエワ・タチアナ【北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院 博士後期課程】

ウクライナの木造教会堂建築―ウクライナ国ドロゴビチ市の聖ユリイ教会堂(1657)の図像配置プログラミング―

 独自性に溢れるウクライナの木造教会堂建築の特質を調査し、その構造的な特質や壁画の配置プログラミングを明らかにすることが、研究の主な目的である。さらに、建築を通して、木造教会堂建築とウクライナ人のナショナル・アイデンティティとの関係を調べ、ウクライナ文化やウクライナにおける建築と風土の関係に焦点を当てる。現在は、ウクライナの木造教会堂建築でも、特にユニークな構造や壁画を持っている、聖ユリイ教会堂についてさまざまな視点から調査している。木造教会堂建築の研究で明らかになるウクライナ人の文化的な要素は、アイデンティティ形成に役立つのではないかと考えている。

【受賞の言葉】
 このたびは「女性研究者への支援」助成対象に選ばれましたことに心から感謝を申し上げます。異国の地で一人で子育てをしながら、研究を続けていけるかどうかという不安に悩まされてきました。住友生命の助成金のおかげで経済的な心配をすることなく、安心して研究を続けていけそうです。今後も研究に一層力を注ぎ、母国ウクライナと日本の相互理解につながる成果を出せるように頑張りたいと思います。

受賞後の様子

 今回の受賞を新聞で知った友人から電話をもらったのを始め、多くの方から声をかけていただきました。子育てについて気にかけてくださる方も多く、こうした出来事を通じて、親子ともに色々な人に支えられていることを改めて強く感じるようになりました。子どもは5歳になりました。研究で忙しい母親を助けたいという気持ちをアピールするかのように、掃除や片付けなどを積極的に手伝ってくれています。研究の進捗状況については、ウクライナの教会堂建築に関する論文を、新たに3本まとめました。また日本建築史学会では、聖ユリイ教会堂の婦人室の壁画について発表を行いました。今後は、ウクライナにおける木造教会堂建築の調査を更に進めていきたいと思っています。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 私の研究は、現地調査なしではできないものですが、本助成によって3回の現地調査を行うことができました。自費でやっていた頃と比べると、現地調査の範囲が大幅に広がり、貴重なデータをたくさん集めることができました。そのデータを分析し、研究が進んだことにより、審査論文と2回の学会発表を行うことができ、大変感謝しています。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 この2年間で娘が保育園を卒園し、4月から新1年生としてランドセルを背負って学校に通うお姉さんに成長しました。3月に行われた卒園式で、子どもが親に花束を渡す場面があり、娘から「ママは勉強を頑張っているので、料理と家事はお手伝いするから安心してね」と言われた瞬間、涙が溢れ、言葉を返すことができませんでした。感謝の言葉ではなく、励ましの言葉をもらうことで、自分の子どもが本当に成長したんだなぁと改めて実感しました。本助成のおかげで金銭的な悩みを抱えることなく、子どもの晴れ姿を心から楽しむことができました。
◆女性研究者の環境改善
 子育てをしながら研究をすることの大変さを社会にもっと強くアピールする必要があると感じています。自分の悩みや苦しみを分かってもらえるだけでも精神的な面で大分楽になります。これからは、本助成のような経済的な支援を増やす努力も必要だと思います。


ページの先頭へ戻る