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女性研究者への支援

第5回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

三好 美知【東日本国際大学経済情報学部・教育実習センター】

ケイパビリティ・アプローチにおける学校教育の役割の射程

 新自由主義が政策の柱となって以降、教育の公共性の意味が問い直されている。また、子どもの貧困もしくは貧困のサイクルが明らかになりつつあるが、自律や自己責任が強く求められる中、子どもの貧困も個人の責任の領域として捉えられる傾向にあり、貧困問題における学校教育の役割を改めて考えていくことが喫緊の課題となっている。こうした状況を踏まえ、「自律」「自己責任」といった新自由主義の規範を鋭く批判し、フェミニズムにより新たに提案されている「責任」という概念に依拠しながら、学校教育の役割や教育の公共性の意味を明らかにすることが、本研究の目的である。

【受賞の言葉】
 助成対象としてご支援をいただきますこと、心からお礼申し上げます。東日本大震災で被災し、研究と子育ての両立が気力だけでは支えきれない、ぎりぎりの状態にありましたが、助成が決まり、精神的・肉体的・経済的な支えとともに、研究を続けていくことに対してエールをいただいた気持ちです。今後も子育てと研究の両立に喜びを持って取り組みたいと思います。重ねてありがとうございました。

受賞後の様子

 震災から1年以上経ち、忙しいながらも日常の生活が戻ってきたと感じております。中でも、助成のおかげでベビーシッターを利用することができるようになり、子どもが病気になる頻度が格段に少なくなりました。さらにそのおかげで、それまでは看病や自身の養生で終わっていた週末に研究会に参加したり、遠方の学校見学などに出かけて行けるようになり、孤立していた研究生活が非常に豊かになりました。
 自分が望む程には研究がうまく進まないことに落ち込むことがしばしばありますが、助成対象に選んでいただいているということが、精神的な支えになっています。娘も「ママお勉強ね」と言って、応援してくれています。
 2013年4月より川村学園女子大学へ勤めることとなりました。これも本助成対象者であることが、可能性のある研究者として受け止められたためと感じております。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 支援をいただいたことで、ベビーシッターの方をお願いすることができるようになり、週末に開催される学会や研究会、宿泊を伴うセミナーに参加することができました。問題や、関心を近くする人との交流を持てることで、得られる情報が格段に豊かになりました。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 娘の病気への影響を考え、保育園で病気が流行りだすと、病気の蔓延率の高い年少の幼児との共同保育になる延長保育はせずに、なるべくベビーシッターさんに自宅で面倒をみてもらうようにしました。おかげで、病気にかかる回数がとても少なくなり、この一年で体重が3キロも増え、心臓の手術可能との診断を受けることができました。
◆女性研究者の環境改善
 子育ては、命に沿うものですので、研究に優先される点が多くあります。子どもの状態が心身ともに安定していること、健康に育っていることが、研究継続の大前提になります。そのため、子どものケアに関わる部分に助成をいただけたということが、何よりもありがたいことでした。また、継続を強力にサポートしていただきました。
 2年間の支援に心から御礼申し上げると共に、こうした制度の充実が、女性研究者の環境改善に大きく寄与することと信じています。


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