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女性研究者への支援

第7回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

井岡瑞日 立命館大学・京都学園大学(非常勤講師)
研究テーマ 19世紀フランスの家庭教育像−女性向け雑誌メディアを手がかりとして−

今日、家庭教育は個々の裁量に任される私的な行為であり、学校教育とは根本的に性質が異なるものとみなされている。では、近代フランスにおいて、学校教育を前提としながらも、それとは性質を違える存在としての家庭教育が自明視されるようになったのは、どのような歴史的経緯からか。本研究は、この問いに迫るため、女性向け雑誌メディアを史料として、学校教育の普及を背景とした家庭教育の変容過程を明らかにすることを目指す。

受賞の言葉
この度は、助成対象に選んでいただきありがとうございます。大学院の博士課程に進学した年に出産した娘はもう四歳になりました。私にとって、研究も子育ても、時に困難で孤独な作業であり、その場にうずくまったことも何度もありました。けれども、得られる喜びも大きいからこそ、何とかこれまで続けてくることができました。本助成を糧に、我が子の成長に心穏やかに寄り添いながら、博士論文を完成させたいと思います。
受賞後の様子
 5歳になった娘は心身ともにすくすくと育ってくれています。彼女にとって、本助成の表彰式に参加し、檀上で私のスピーチを聞いたことは強く印象に残っているようです。それ以来、研究と教育に従事する母親の仕事についておぼろげながらも理解するようになりました。また、受賞後に新聞に顔写真を載せていただいたため、友人たちから励ましの言葉をもらいました。私の出身研究室には子育て中の女性研究者が多くいるのですが、その中には、私の受賞をきっかけに自分も挑戦してみようと本プロジェクトに応募した人もいます。私自身もまた、研究と子育ての両立をめぐる環境の整備という問題に対し、より強い関心を抱くようになりました。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 本助成をいただいたことで、1年目は集中して博士論文の執筆に取り組むことができました。その結果、2年目に無事博士号を取得することができました。
 2年間を通じて、最も助かったと感じられるのは、研究遂行に必要な図書購入・複写費用と旅費の支出ができたことです。これには参加しておきたい、これは目にしておかなければならないと思った時に即行動に移し、学会や研究会、国内外での史資料調査旅行等に積極的に出向くことで、人やモノとの豊かな研究上の交流を図ることができました。このことは研究の進展に大いに役立ち、博士論文執筆後の新たな研究課題にも着手することができました。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 受賞時4歳だった娘も小学1年生となり、あっという間の2年間でした。娘は、学校という新しい環境に少しずつ馴染みながら、家庭の外にも自分の居場所を築いていっています。
 助成2年目のフランス現地調査には、娘も同行しました。セーヌ川沿いにそびえ立つフランス国立図書館のモダンな外観を眺めながら「ママンはここでお仕事するんだよ」と話し聞かせたり、資料館を訪れるためリモージュに向かう列車の車窓からフランスの田園風景を堪能し、一緒に羊や牛の数を数えたりしたことは、かけがえのない思い出となりました。

◆女性研究者の環境改善

 人文・社会科学分野は、他分野より博士号取得に時間がかかる傾向にあるため、オーバードクターという不安定な立場のまま長期間を過ごす人が多くいるようです。そうした中で子どもを育てている女性研究者は、本人のがんばりや周囲の協力だけではどうにも解決できない数々の困難や孤独を抱えていると思います。こうした状況を改善していくためにも、特定の分野に特化した本プロジェクトのような支援が広がっていくことを切に望みます。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


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