ホーム > 住友生命について > 住友生命のCSR > 豊かな社会づくり > 少子化・子育て > 未来を強くする子育てプロジェクト > 女性研究者への支援 > 第8回 > 受賞者

未来を強くする子育てプロジェクト 子育て支援活動の表彰 女性研究者への支援 プロジェクトからのメッセージ 選考委員会のご紹介 結果発表 コンテンツマップ Facebook 住友生命公式ページ 住友生命のCSR
女性研究者への支援

第8回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

宮地 歌織 佐賀大学 男女共同参画推進室 特任助教
研究テーマ ケニア農村部における妊産婦ならびに子育てに関する人類学的研究

アフリカでは妊産婦や乳幼児の死亡率が高い国が多い中、ケニアではさまざまな母子保健についての取組みが国家レベル・農村地域レベルで実施されている。しかし、妊娠や出産、子育てをめぐっては、その地域の文化や女性に焦点をあてた人類学的研究はまだ少ない。途上国においても、より女性が安全に安心して産める環境になるように、今後もフィールドワークを中心とした調査研究を行い、その課題解決への糸口となるよう努力していきたい。

受賞の言葉
男女共同参画推進室に勤務し、研究者が出産・子育てをしながら研究を継続できるために環境整備等の取組みを行ってきました。しかし、自分自身の研究時間の確保が難しく、業績(論文)を積まなければキャリアアップできない研究者という世界の中で、仕事と研究、そして家族のケア、という課題を抱えています。そんな折の受賞のお知らせは、「研究を続けていいよ」と、背中を押していただいたように思い、大変勇気づけられました!
受賞後の様子
 私の行っている調査は、学際的な質的・量的調査でもあり日本では実践している研究者がほとんどいないのが実情です。そのため、似た分野で質的・量的調査をされている方々の研究会に参加させてもらうなどしており、自分の研究の幅が広がってきました。
 また、九州では同じような研究はほとんどないため、東京出張になることが多く、旅費もかさみます。これまで費用面の負担感から躊躇していた、関心のある学会にも参加することができるようになり、今後は学会発表なども行う予定となっています。
 調査地として選んだケニアの西部の地域は、私が独身時代に住み込んでいた土地でもあり、現地の方も私が子どもを連れて、ケニアに来ることを心待ちにしてくれています。「人類学では、子連れだと現地の人の対応が違うよ」とよく欧米の人類学者が言いますが、これから違う世界も見られるのかなあと楽しみです。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 本助成を受けたことで海外(ケニア)の調査研究ができ、2年目は国内、海外を含め学会発表をすることができました。国際シンポジウムなどにも参加する機会を得てさまざまな研究者との交流を深めることもでき、視野も広がりました。より業績を積めたことで、さらなるステップアップができると自信を持てるようになりました。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 海外での調査は2〜3週間かかるため、子どもにとって寂しい思いをさせ、また夫には家事育児を任せることになり、当初は心苦しい気もしていました。ただ、夫も自分自身の好きなスポーツの仕事をしているため、私がやりたいことをいつもサポートしようと心がけてくれています。息子にも、好きなことを見つけ、がんばるように話をしています。家族で、それぞれが自分の好きなことを伝え、それをお互いがどうサポートし合えるか、というような家族内の会話も増え、息子も自分の好きなこと(水泳)をやりたい、と話をするようになりました。社会のなかでも「迷惑をかけないように」よりも、「迷惑をかけるかもしれないけど、お互い様」の感覚になれるような取組みができたらと思います。

◆女性研究者の環境改善

 日本における子育ては、まだまだ女性に大きな負担となっていることを痛感します。家庭内では家事、地域社会ではPTAや自治会など、子育てに加えて果たす役割が大きく、そして職場でもまだ男性も女性も昔ながらのジェンダー観にとらわれるなど、既存の文化や社会が根づいています。自分のジェンダーの研究やアフリカにおける農村の研究からも、ジェンダーの変化は時間がかかるものと痛感していますが、あきらめることなく、少しでも女性が働きやすく、研究しやすい環境づくりに尽力したいと思います。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


ページ上部へ戻る