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女性研究者への支援

第4回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

二階堂 祐子【城西国際大学大学院 人文科学研究科女性学専攻 修士課程】

出生前選別をめぐる女性障害者の語り

 出生前検査で陽性の結果が出た場合、中絶を選択する女性の数は9割に上るという。これはいかに障害に負の価値が付与されているか、そして、女性に不均衡な育児負担がかけられているかを示していると予測される。「自己決定」の原則を根拠に最終決断を迫られる“女性”、「本来、あってはならない存在」とされ、医療技術のターゲットとなる“障害者”の二つの社会的状況を引き受けているのが女性障害者である。本研究では、女性障害者の語りを通して「選ばれる命」と「選ばれない命」を分ける出生前選別を問題化することを目指す。

【受賞の言葉】
 このたびは助成対象者の一人に選んでいただき大変うれしく思っております。これまで勤務と子育てをしながらの研究継続に苦心してきました。助成により調査をよりスムーズに遂行できます。「子連れ大学院」を支えてくれる大学院の仲間、教職員のみなさま、推薦くださった先生方に心から感謝いたします。何より、共に子育てをし、研究活動を支えてくれる夫に愛と感謝の気持ちを伝えたいです。

受賞後の様子

 これまでも、夫と子育てを分担し、研究活動を進めてきましたが、本助成のおかげで、学会発表やインタビュー調査の際に子どもたちを安心して預けられる「社会資源」を積極的に利用できるようになりました。土日の研究活動への経済的・精神的負担も軽くなり、子育てと研究のメリハリがつけられるようになったと思います。研究活動の成果としてまず大きいのは、2011年4月より博士後期課程に進学し、研究室に所属したことです。夏から秋にかけては、女性学、ジェンダー学、生命倫理学の各学会にて計3回の研究報告を行いました。また、インタビュー調査や各研究会への参加なども精力的にこなすことができています。子育てをしながらの研究活動を温かく見守り手助けしてくださる大学院の指導教授、そして研究会の先生方にも改めて感謝の意を伝えたいと思います。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 助成のおかげで、研究活動への精神的、経済的負担が軽くなりました。それにより、子育てと研究活動のメリハリをつけやすくなったことが一番大きな変化でした。また、助成期間中に行ったインタビュー調査の結果を助成2年目の2012年に学会で発表することができました。今後も内容分析を引き続き行っていく予定です。さらに研究会への参加、翻訳論文の発表なども行うことができました。本助成を受けていたことは、経済面だけでなく精神面でも研究活動の大きな支えとなり、2年間でいくつかの成果を出すことができたことに大変感謝しています。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 助成金を「子育て関係費」に充当できることで、子どもの送迎サービスなどを利用することができ、育児面で大変役に立ちました。この他には、2013年に第三子が誕生したことが大きな生活環境の変化でした。2012年8月末の新型出生前診断の実施について報道されていた時期にちょうど妊娠中だったので、今回の妊娠経験は生活者としても研究者としても貴重なものになりました。
◆女性研究者の環境改善
 本プロジェクトをPRすることをはじめ、女性研究者同士の横のつながり、情報交換ができるしくみがあればよいと思います。一人でも多くの研究者が充実した研究生活を送れる社会になることを期待しています。


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