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ノーベル賞受賞者とお金

ノーベル賞受賞者とお金

先日、被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてきた日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞しました。

受賞理由は核兵器のない世界を実現するための努力と核兵器が二度と使用されてはならないことを証言によって示してきたことでした。

日本のノーベル平和賞受賞は1974年の佐藤栄作元総理大臣以来、50年ぶりです。

そこで今日は、ノーベル賞受賞者とお金のエピソードをまとめてみました。

賞金の使い道あれこれ

ノーベル賞の賞金は、ダイナマイトを発明して巨万の富を築いたアルフレッド・ノーベル(1833-1896)の遺産(現在の価値で約200億円)がもとになっています。遺産の管理とノーベル賞(経済学賞を除く)の主催をおこなっているのが、スウェーデンの首都ストックホルムにあるノーベル財団。第1回目のノーベル賞は1901年だから、100年以上の伝統と歴史と権威のある賞だということがわかります。

気になる賞金の額ですが、これは時代によって変わるんだそうです。2018年の賞金額は、900万クローナ(約1億1,300万円)でした。今は1,100万クローナ(約1億5,600万円)もあるそうです。

ノーベル賞の受賞者の多くは、学者や研究者。学術研究のために寄付をする人が多いのかと思いきや、人気の使い道は不動産購入だという話も。いっぽう、政治家や活動家が多い平和賞の受賞者は寄付、文学賞受賞者は作家活動に専念するための資金に充てることが多いそうです。

ほかにはこんな使い方をした受賞者も。

受賞者 受賞年 分野 使い道
アルバート・アインシュタイン 1921年 物理学賞 離婚の慰謝料・養育費
フィリップ・シャープ 1993年 生理学・医学賞 築100年を超えるフェデラル様式の住宅購入
リチャード・ロバーツ 1993年 生理学・医学賞 クロッケー(イギリスの球技)の芝生
ギュンター・ブローベル 1999年 生理学・医学賞 第二次大戦で崩壊した聖母教会の再建のために寄付
ヴォルフガング・ケターレ 2001年 物理学賞 住宅購入と子どもの教育費
ポール・ナース 2001年 生理学・医学賞 ハイエンドのバイク購入

天才・アインシュタインの賞金の使い道は、凡人には思いも及ばないものかもしれません。

アインシュタイン

世界的権威のある賞の賞金で、家やバイクを買ったり教育費をまかなったりしているのはちょっと意外ですが、ぐっと親近感がわくエピソードでもあります。

ちなみに、ヴォルフガング・ケターレ教授は、3人での共同受賞だったため賞金は分割、さらに、研究拠点だったアメリカでは賞金の半分に税金がかかることから、住宅と教育費で使い切ってしまったそうです。

ノーベル賞を辞退した人

過去に、文学賞の辞退が噂されたボブ・ディラン。最終的には受賞しましたが、ギリギリまで動向に注目が集まっていました。

長い歴史の中には、実際にノーベル賞を拒否した人もいます。自らの意思で辞退したのは、ジャン=ポール・サルトルとレ・ドゥク・ト。政治的な圧力により辞退を強要されたケースも。ノーベル賞は、時代を映す鑑でもあるのでしょうか。

ジャン=ポール・サルトル(1905-1980)
フランスの作家・哲学者
1964年ノーベル文学賞を辞退
辞退理由:いかなる人間でも生きながら神格化されるには値しない、受賞によって自分の自由が制限されてしまえば自分が目指す可能性の頂点にたどり着けない

ジャン=ポール・サルトル

サルトルは実存主義者で、「人間は何物でもなく、現実に存在する(実存する)ことで、自らの世界に意味(本質)を見いださなければならない」と主張しています。ノーベル賞という権威は自身を「ノーベル賞作家のサルトル」にしてしまうことになり、それは「実存は本質に先立つ」という思想と対立するもの。サルトル曰く、人間は「あるところのものであらず、あらぬところのものであるような存在」であって、「あるところのものであり、あらぬところのものであらぬような存在」ではない。哲学者だけに、辞退理由が難解です。

レ・ドゥク・ト(1911-1990)
ベトナムの革命家
1973年平和賞を辞退
辞退理由:ベトナムにまだ平和が訪れていない

きっとサルトルやレ・ドゥク・トには、「賞金をどう使おうか」などという発想はなかったのかもしれません。

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