育休中は育児の大変さに加えて、収入減・出費増という家計の負担も、のしかかってきます。
そんなとき、少しでも家族の助けになれるよう、使える制度やもらえるお金について知っておきましょう!
最長1歳2か月まで休める!しかし男性の取得率は6%!
厚生労働省「雇用均等基本調査」によれば、令和5年度の育児休業取得率は、女性が87.6%なのに対し、男性は37.9%。
男性の取得率は少しずつ増えているのですが、やはり女性と比べれば圧倒的に少なく、期間も多くが1か月~3か月という現状です。
国は今、「イクメンプロジェクト」として、男性の育児休暇取得を推進しています。
「育児・介護休業法」で、仕事と育児の両立を支援するさまざまな制度が定められています。
育児休業制度
会社に申し出れば、子どもが1歳になるまで、育児休業が取得できます※。これは、配偶者が専業主婦(夫)であっても同じです。
ただし、労使協定により一部の労働者(勤続1年未満など)は対象外となることがあります。
産後8週間以内に取得している場合には、特別な事情がなくても、申し出により再度の取得が可能になります。
さらに、父母ともに育休を取っていると、取得できる期間が、子どもが1歳2か月になるまでに延長されます。
この制度は「パパ・ママ育休プラス」と呼ばれます。
ただし、父母それぞれが取得できる最大日数は、1年間(産後休業含む)のままです。
※保育所に入所できない等の場合には最長2歳まで延長可。
短時間勤務・残業制限
子どもが3歳になるまでは、希望すれば短時間勤務(原則6時間労働)で働くことができます。
また、会社に求めれば残業制限が適用されます(勤続年数や週の労働日数によって対象外となる場合があります)。
残業制限の適用には申出が必要で、子どもが小学校就学前まで制限を受けることも可能です。
育児休業などによる不利益取扱いの禁止、ハラスメントの防止
上に挙げたような育休に関する制度を申し出たこと、利用したことを理由に解雇したり、減給・左遷したりすることは、法律で禁止されています。
また企業は、上司・同僚からのハラスメント(マタハラ・パタハラ)を防止することを義務付けられています。
これは「育児・介護休業法」に基づくもので、2022年4月の改正により、企業に対する防止措置義務が強化されました。
このほかにも、転勤の配慮や看護休暇などについての定めがあります。
育児休業制度についての詳しい説明は、厚生労働省のページをご覧ください。
もちろん「収入を減らしたくない」など、やむを得ない事情で育休を取れない場合もあるでしょう。
しかし、「会社が人手不足」「言い出しにくい職場の雰囲気」という、環境が原因になっていることもあります。
今後、職場の就業・雇用環境整備や周囲の理解が進めば、だいぶ取りやすくなるのではないでしょうか。
実際、政府は2020年度から男性国家公務員に1か月以上の育休取得を促すことを決めました。
民間でも、三菱UFJ銀行や積水ハウスなど、取得を義務化する企業が出てきています。
さて、育休をとって万々歳というわけにはいきません。
お金の問題が残っています。次はここについて見ていきましょう。
育休中にもらえるお金(手当・給付金など)
ほとんどの企業では、育児休暇中は給与が出ません。
そのため冒頭で言ったように、収入は減るが支出は増えるという、苦しい家計状況になりがち。
こんなとき助けになる、金銭的な支援制度をご紹介します。
育児休業給付金
給与はなくなっても、雇用保険の給付金として、ハローワークに申請することで賃金の67%(育休開始から180日間)の金額が支給されます。
それ以降は50%の金額が支給されます。
支給期間は、原則として子どもの1歳の誕生日の前日まで。
保育園に入れなかったなどの理由があれば、1歳6か月になる前日まで延長できます。
1歳6か月になっても入れなかった場合などは、最長で2歳になる前日まで、再延長できます。
ただし、育児休業を取得していない期間は対象外です。
期間内に職場復帰した場合は、その前日までが対象となります。
また、令和7年4月1日から「出生後休業支援給付金」「育児時短就業給付金」も創設されました。
出生後休業支援給付金は、子の出生直後の一定期間に、両親ともに(配偶者が就労していない場合などは本人が)、14日以上の育児休業を取得した場合に、賃金の13%の金額が最大28日間給付されます。
これにより、出生時育児休業給付金または育児休業給付金と併せて、給付率は80%(手取り10割相当)となります。
育児時短就業給付金は、2歳に満たない子を療育するために時短勤務をした場合、育児時短就業前と比べて賃金が低下するなどの要件を満たした場合に支給されます。
給付条件の詳細は、厚生労働省のページでご確認ください。
児童手当
子どもが中学校を卒業するまで支給されます。
申請先は住んでいる自治体です。
子ども一人あたりの支給額は、次のとおりです。
- 3歳未満:第1~2子15,000円(第3子以降30,000円)
- 3歳~高校生年代まで:第1~2子10,000円(第3子以降は30,000円)
社会保険料免除
育休中は、給与から天引きされていた社会保険料の支払いが免除されます。
手続きは、会社を通して年金事務所へ行われます。
対象期間は、育休開始の月から、終了する月の前月まで。
このため、もし同じ30日取得するのでも、月初から取得すると1か月分、月末から取得して翌月までまたがると2か月分免除となる場合があります。
また、ボーナス支給月でも免除されることも覚えておきたいですね(評価期間中に就業していた場合)。
ボーナスの規定については、会社の就業規則で確認しておきましょう。
「とるだけ育休」にならないように注意!

日本財団とコネヒト株式会社が行った調査のレポート(「変えよう、ママリと」)によると、約48%の母親が「夫(パートナー)に育休取得してほしいと思わない」と答えています。
その理由には給与面の不安のほか、「普段から家事や育児をやってもらっている」というものがあるのですが、「夫が子育てに自主的に取り組めると思えない」という回答もあります。
実は最近、「とるだけ育休」という言葉が話題になっています。
これは文字通り、育休はとったものの、家事・育児をする時間が少ないという状態。
上のレポートでは、約3分の1の夫(パートナー)が、家事・育児に費やす時間が1日のうち2時間以下と報告しています。
この調査での母親のコメントから、「指示待ち」「家事のスキル不足」といったことが原因となっていることが見えてきました。
「とるだけ育休」にならないためには、
- 主体的な姿勢で取り組む
- 家事・育児の分担について話し合う
- 取得前に育児・家事スキルをつけておく
- メンタル面もケアする
といった意識が重要になってきます。
「育児休暇/休業」という名前はついていますが、育休の本来の目的は、家事・育児の負担を両親でシェアすることで、育児と仕事を両立できるようにすることです。


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