私の所属する主計部 数理室の主な役割の一つは、保険料率水準の決定、すなわち「プライシング」です。一口に「プライシング」といっても対応していることは多岐にわたります。わかりやすい例としては、商品開発にあたってその保険商品の支払事由（死亡やがんの罹患など）がどの程度発生するかを統計的に予測し、適切に保険料に反映することが挙げられます。他にも開発する商品について、どういう収益性があるのか、どういうリスクが存在するのか、などといった保険数理に関わる様々な論点について検討し、対応策を考える業務に携わっています。

「相手に寄り添ったコミュニケーション」です。アクチュアリーは何かの計算だけをやっているわけではなく、保険数理の専門家として専門的な知識を使って考えたこと・分析したことをアウトプットする必要があります。アウトプットをする相手は、経営層の役員やアクチュアリーではない関係部門の職員など様々です。それぞれの立場で、前提とする知識や知りたいこと・やりたいことは異なるため、そこに思いを馳せながら相手に寄り添ったコミュニケーションを行うことを心掛けています。それによってこそ、アクチュアリーの専門家としての力が十分に発揮されるのだと思っています。

商品開発やWPI（Work Performance Innovation）など、様々な面で変化を恐れず挑戦を推し進めていく当社の姿勢です。具体的にいえば、“住友生命「Vitality」”は保険に加入して健康を推進するという他に類を見ない全く新しいコンセプトですし、働き方についても、出社と在宅勤務を使い分けることのできるハイブリッドなスタイルが浸透しています。私が仕事をしている新たな東京本社も、フリーアドレス制の導入やペーパーレスの推進など従来の常識にとらわれない新しい働き方が進んでいます。こうした改革を絶えず実践しているところが当社の魅力であり、強みだと思います。

保険数理の専門家としての自分自身の価値をより一層、高めていきたいと思っています。今後、我々アクチュアリーが携わる業務は、保険商品・サービスの多様化によりビッグデータの活用が求められるとともに、国際的な会計基準や監督規制の大きな変革を受け、現在よりもさらに複雑で難解なものになっていくと思います。そうした中においても、適切なプライシングを行うこと、会社の収益性・健全性を的確に分析すること、さらにはそれをわかりやすく伝えていけるよう、保険数理やデータサイエンスのスキルはもとより、伝える力も高めていきたいと思っています。

学生時代は理学部で数学を専攻していましたが、人と関わり合いながら仕事をしていきたいと思い、研究職ではなく、数理的なバックグラウンドを生かしつつ人との関わり・コミュニケーションが重要とされるアクチュアリーを志しました。アクチュアリーは、生命保険・損害保険・信託銀行をはじめ、様々な業界で必要とされる仕事ですが、その中でも生命保険会社のアクチュアリーが会社経営により深く関与し、社内でのプレゼンスも相対的に高いことに魅力に感じました。なかでも住友生命に入社を決めた理由は、ズバリ「働きやすい」と感じたからです。インターンシップや説明会を通じて、仕事に熱意をもって取り組まれている姿に共感しましたし、職員の方とお話するなかで私自身が自然体でいられると感じたため、「この会社だ！」と思いました。