● 「地域全体で子どもたちを見守り育てる」という発想
私たちの活動は、老朽化した校舎を見かねた地域の有志の発案による、石榑小学校の建替計画から出発しました。学校関係者、行政、そして地域住民が集まって議論を重ねる中で、単なる校舎建替の話に止まらない、より大きな目的意識が芽生え、メンバー間で共有されました。それは、家庭だけでも学校だけでもなく、地域全体で子どもたちを見守り育てるという発想です。
「子どもたちは地域の宝」。だからこそ、みんなで協力して子育てをするという考え方は、私たちの活動理念にもなっていて、地域内外の学校、企業、団体などと広く連携した子育て支援・交流活動を日々行っています。
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● 学校を開放することで得られたもの
活動拠点である石榑小学校には、広く一般に開放された「地域ゾーン」というフロアがあります。ここでは、地域住民が先生となって子どもたちに生け花やお菓子作りなどを教える、さまざまな体験教室が開かれています。
最近では、子どもたちの安全を考えて、校門を閉ざしたり、監視カメラを設置する学校が増えているようですが、私たちの発想は逆で、締め出すのではなく開放することによって、地域の目で子どもたちを見守っています。多くの人たちに見守られ、気にかけてもらうことで、子どもたちは、自分が大事にされているということを感じてくれていると思います。
もちろん、学校を開放することは、運営面では大変なことも少なくありません。しかし、この地域には「石心(いしころ)」という、学校を支えるためならどんな苦労もいとわない伝統的な気風があって、その姿勢や精神は、私たちの活動にもしっかりと受け継がれています。
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● 子どもも、大人も楽しみにしています
数ある活動の中で、子どもたちがもっとも楽しみにしているのが、年に1度開催される「石榑の里まつり」です。学校全面協力のもと行われるこのお祭りは、まさに地域の一大イベントで、当日は、スタッフはもとより、学校の先生や地域住民も一致協力して運営や進行を行います。
「石榑の里まつり」を楽しみにしているのは、子どもたちばかりでなく、運営に携わる大人たちもまた同様で、準備の段階からみんな大はりきりです。子どもたちと一緒になって楽しむことこそが、こうした活動を長く続けていく秘訣なのだと思います。
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