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女性研究者への支援

第6回

スミセイ女性研究者支援 受賞者

上田 路子 シラキュース大学(アメリカ)講師
研究テーマ 自殺の要因及び自殺対策の実証研究

日本において自殺は大きな社会問題である。自殺の要因に関するこれまでの研究ではうつ病など医療的な要因が注目されがちであったが、失業など社会的要因にも注目した研究を行っている。国や地方自治体の自殺対策の効果を検証し、詳細なデータを用いた統計分析と、関係者へのヒアリングを行う。学術的な面だけでなく今後の自殺対策の施策にも役立つような研究を行いたいと考えている。

受賞の言葉
2011年1月に日本で出産し、8ヶ月間一人で子育てをした後、物理学者である夫と一緒に住むためにアメリカに移住しました。日本に比べ育児環境が比較的整っていると考えられているアメリカですが、延長保育が存在しないなど、研究と子育ての両立に関して日本とは異なった難しさがあります。研究テーマが日本の自殺である以上、日本での資料集め等は必須であり、受賞によって日本での研究が継続できることをうれしく思っております。
受賞後の様子
 2013年5月より日本に滞在し、日本の自殺問題に関する研究を続けています。6月に出版した著書『自殺のない社会へ』は、毎日新聞、朝日新聞をはじめとする多くのメディアに取り上げられ、11月には第56回日経経済図書文化賞を受賞することができました。現在は失業と自殺の関連について考察をしているところです。2歳の息子も私と一緒に帰国し、日本の保育園に通っています。息子を日本での研究に同行させられたことや、ノルウェーでの学会に連れて行くことができたのも、助成金のおかげです。また、同じように子育てをしながら研究を続けている女性研究者との交流が多くなり、この助成金への応募を希望している女性研究者から相談を受けることもありました。このように人との関わりが増えたことは私にとって大きな意義のあることです。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 アメリカ在住ですが、本助成のおかげで、10ヶ月ほど日本に長期滞在し研究を大幅に進めることができました。2年目からもたびたび日本に戻り、研究を継続することができました。助成をいただいたことで、滞在中の託児費用を心配することなく研究を進められたことは、うれしい研究環境の変化でした。 研究成果としては、『自殺のない社会へ』という共著本を出版し、第56回日経・経済図書文化賞をいただきました。また、自殺関連の国際学会で発表した論文は、後に英文学術雑誌に掲載されました。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 2歳だった息子を連れて何度もアメリカと日本を行き来しました。日本滞在中に日本語が上達した一方、英語を完全に忘れてしまったようですが、アメリカに戻ると数週間で英語を思い出し、子どもの適応力に驚かされました。助成が始まった当時、一緒にいると研究どころではありませんでしたが、助成期間が終わる頃には4歳になり、私の隣で、自分で本を読んでいられるようになりました。

◆女性研究者の環境改善

 女性研究者が遠方での学会に参加したり、フィールドワークを行ったりするには、子どもを一緒に連れて行き現地で預け先を確保することも必要かと思われますが、一般の研究助成ではそのような託児費用は補助の対象になりません。結果として学会参加やフィールドワークを諦めざるを得ず、最終的には研究の継続が難しくなってしまうという現状があります。子育て費用が助成の対象となる本プロジェクトは、非常に画期的であり、子育て中の女性研究者にとって何よりの支えとなっています。育児と研究の両立を希望しているすべての女性研究者が研究を続けられるよう、このような助成がもっと増えることを切に願います。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


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