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女性研究者への支援

第6回

スミセイ女性研究者支援 受賞者

原口 春海 神戸大学大学院 システム情報学研究科 システム科学専攻
研究テーマ セル生産システムにおける人的要因を考慮した作業計画と従業員教育に関する研究

製造業では、多品種変量生産に対応するためのセル生産システムが注目されている。セル生産システムは、作業員の技能やモチベーションが生産性に大きく影響していると言われているため、作業者の技能や作業意識を適切に判断する新しい指針を作成する。また、その指針を用いて最適な人員配置・スケジューリングの手法および、作業員の訓練計画を設計する。

受賞の言葉
ご採択頂きまことにありがとうございます。応募にあたり、私の内面で葛藤する場面がありました。それは、幼い子を持つ女性研究者にとって『子どもが研究の足かせになっている』と誤解されかねないのではないか?ということです。実際は全くの逆で、私にとって子どもは研究活動の原動力であり救いです。本助成の助けを借り、子どもと成長しながら未来に繋がる研究成果を残すことによってそれを証明したいと思います。
受賞後の様子
 助成金のおかげで、目標としていた国内学会2回、国際学会1回への参加が達成できました。これまで学会報告の際は、娘は近くの託児施設に預け、自分が報告するセッションのみへ最低限の参加をするだけでしたが、助成金のおかげで預ける時間を気にせず、研究に関係するすべてのセッションに参加できるようになりました。子どもは念願のピアノ教室に通い始められるようになったことがとてもうれしいらしく、毎日一生懸命練習しています。また、竹馬を特技とするなど外での遊びも大好きです。最近は私が何をしているか興味を持つようになり、保育所のお便りに「しょうらいのゆめ かがくしゃ」と書いていて感激しました。父親と離れて暮らしているので、寂しい思いをしないように、自宅ではできるだけ娘と遊んだり、家事を一緒にやったりしていこうと思っています。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 助成金申請時の目標として国内学会へ2回、国際学会へ1回参加することを掲げておりましたが、国内学会へ3回、国際学会へ1回参加できました。新しく参加した日本機械学会は分野が異なる印象の学会ですが、私の研究テーマが受け入れられただけでなく、2014年3月の本助成下での最後の発表が、日本機械学会生産システム部門・部門賞を受賞したことは、それだけこの研究が注目度・重要性の高い分野であると自負しております。研究対象であるセル生産システムの製造現場は驚くほど女性が活躍している作業現場です。2年目に学術振興会の特別研究員に内定した為、本プロジェクトの助成は1年で辞退することになりましたが、これからは『研究』を通して子を持つ女性も活躍できる研究環境を模索するとともに『研究成果』を通して製造現場で働く女性(ママ達)を応援できたらと思っています。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 今まで学会報告の時は、娘を近くの託児施設に預け自分が報告するセッションのみ参加するだけでしたが、助成後は金銭的に余裕ができ、託児施設を長時間利用して時間を気にせず研究に関係する全てのセッションに参加できるようになりました。普段の作業は研究室で行っていますが、自宅でも作業を行える環境を整え、自宅で娘と過ごす時間を増やすことも出来ました。娘も「おしごと」と言って、絵本を読んだりお絵かきをしたりするようになりました。保育所の修了アルバムには「しょうらいのゆめ」として「かがくしゃ」と書いてあり、母親の仕事に憧れを持って見つめてくれていると知って胸が熱くなりました。

◆女性研究者の環境改善

 自宅に研究環境を構築する一方、研究が佳境に入るにつれて、土日に娘連れで研究室に行くことも増えました。研究室の学生たちも最初は戸惑っていたものの、自然とその状況を受け入れてくれるようになりました。母親にとって、生活の中で仕事と育児を明確に切り分けるのはなかなか難しい側面があります。子どもと一緒にいる空間の中であたりまえのように研究活動が行えるのは幸せなことだと感じています。また、学会後に行われる懇親会には積極的に娘連れで参加するようにしています。育児アピールではありませんが、研究者にもいろいろな人が居るという事を示す一番単純で判り易い方法ですし、セッション中に託児施設でがんばった娘へのご褒美もかねています。

 国や社会に大きな意識変化を求めるばかりでなく、小さなことでもこちらから積極的に働きかけ、ささやかな実例を積み重ねていくことも大切だと思います。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


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