◆研究成果・研究環境の変化
本助成の開始時期が、博士論文執筆終了直後だったこともあり、共同研究へのお誘いや研究会での発表依頼を多くいただいた2年間でありました。そんな中、子どもを保育園に預けられたことが、研究環境の改善につながりました。また、単著の執筆をおこなった際には、締め切りがある作業の繰り返しだったため、保育園に預けることがかなわなければ、執筆を終えられなかったかもしれません。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
本助成を受けて2度目にウガンダへ渡航した際には、長女は3歳になっていました。彼女は日本語が話せるようになっていたこともあり、現地語(ガンダ語)の壁に直面していましたが、すぐに父親(ウガンダ人)や現地の友人たちと楽しく遊ぶことができていました。
現地調査に子どもと一緒に出かけたことで、交通機関や行く先々で人びとが当然のように子どもの相手をしてくれる社会のありかたに気付くきっかけになりました。また、今まで研究対象としてきた若者たちが、子どもをもち親になり、子どもとどのように生活しているかが気になるようになり、今後、都市部の若者たちの親子間の関係性についても調査したいという思いが浮上してきました。
◆女性研究者の環境改善
「研究者」という職業は、子育てとの両立が簡単ではないと感じています。たとえば、研究会や学会などは週末に開催され、研究にとって貴重で重要な機会ですが、子どもがいることによってそれらの機会を遠ざけてしまう可能性があります。
助成をいただいた2年の間にも、助成制度への照会や子連れで出勤できる研究室のための意見を求められることもありました。日本全国で子育てをする研究者の環境改善を目指す動きが出てきている今、研究と子育ての両立に向けた情報の活用と積極的共有が強く求められていると感じました。
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