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女性研究者への支援

第7回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

大門碧 京都大学 アフリカ地域研究資料センター
研究テーマ アフリカ都市のポピュラー音楽消費からみる若者たちの社会関係:ウガンダの例

現在アフリカ都市では、若者たちが自由にポピュラー音楽を入手・聴取し、製作や音楽を使ったパフォーマンスに取り組んでいる。本研究では、彼らの音楽消費の実態をとおして、 彼らと地域社会との関係性を明らかにする。先行研究では「抵抗」としてみなされることの多いアフリカ都市の若者の音楽消費を再考し、彼らの社会関係があらわれる場としての音楽消費を提示したい。

受賞の言葉
これまで調査を続けてきたウガンダで出会った夫とのあいだに娘をもうけ、自分が選んだ道とはいえ、子育てと研究との両立に苦しんでいたときに、受賞の連絡を受け、研究だけでなく自分の生き方も肯定していただけたような気持ちになりました。これからの研究は、独り身だったときとは異なる態勢になりますが、 娘とともにいることで新たにみえてくる調査地の世界を、研究成果としてしっかり発表していきたいと思っております。
受賞後の様子
 4月に体調を崩し、数週間病院に通う生活をしていましたが、娘を保育園に通わせることができたため、十分に休息をとることができました。6月には調査方法に関するコラムが掲載された本が出版され、学術雑誌には論文を投稿しました。7月から9月にかけて娘と共に渡航し、ウガンダで現地調査を実施しました。再び体調を崩さないように調査の実施回数を少なくし、かわりにガンダ語という現地語の習得に励みました。娘は隣近所の子どもたちと友達になり、ガンダ語を学び、楽しく過ごしていました。帰国後もウガンダの友達の名前を言ったり、ウガンダで覚えた歌を歌ったりもしています。写真は旧知のインフォーマントとその子どもたちを娘と訪ねたときの一枚です。子育てをしながら研究を続けることで新しい視野も広がっていく可能性を感じています。
 普段からこの助成を受けていることを積極的に周囲に話すように心がけています。みんな興味や関心を持って聞いてくれます。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 本助成の開始時期が、博士論文執筆終了直後だったこともあり、共同研究へのお誘いや研究会での発表依頼を多くいただいた2年間でありました。そんな中、子どもを保育園に預けられたことが、研究環境の改善につながりました。また、単著の執筆をおこなった際には、締め切りがある作業の繰り返しだったため、保育園に預けることがかなわなければ、執筆を終えられなかったかもしれません。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 本助成を受けて2度目にウガンダへ渡航した際には、長女は3歳になっていました。彼女は日本語が話せるようになっていたこともあり、現地語(ガンダ語)の壁に直面していましたが、すぐに父親(ウガンダ人)や現地の友人たちと楽しく遊ぶことができていました。
 現地調査に子どもと一緒に出かけたことで、交通機関や行く先々で人びとが当然のように子どもの相手をしてくれる社会のありかたに気付くきっかけになりました。また、今まで研究対象としてきた若者たちが、子どもをもち親になり、子どもとどのように生活しているかが気になるようになり、今後、都市部の若者たちの親子間の関係性についても調査したいという思いが浮上してきました。

◆女性研究者の環境改善

 「研究者」という職業は、子育てとの両立が簡単ではないと感じています。たとえば、研究会や学会などは週末に開催され、研究にとって貴重で重要な機会ですが、子どもがいることによってそれらの機会を遠ざけてしまう可能性があります。
 助成をいただいた2年の間にも、助成制度への照会や子連れで出勤できる研究室のための意見を求められることもありました。日本全国で子育てをする研究者の環境改善を目指す動きが出てきている今、研究と子育ての両立に向けた情報の活用と積極的共有が強く求められていると感じました。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


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