ホーム > 住友生命について > 住友生命のCSR > 豊かな社会づくり > 少子化・子育て > 未来を強くする子育てプロジェクト > 女性研究者への支援 > 第7回 > 受賞者

未来を強くする子育てプロジェクト 子育て支援活動の表彰 女性研究者への支援 プロジェクトからのメッセージ 選考委員会のご紹介 結果発表 コンテンツマップ Facebook 住友生命公式ページ 住友生命のCSR
女性研究者への支援

第7回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

南郷 晃子 神戸大学大学院 異文化研究交流センター
研究テーマ 武家権力と「女」の祟りをめぐる説話の考察

本研究は武家権力と説話の関連を考察する研究の一環として、「女」の祟り説話の考証を行うことを目的とする。近世期における「女」の社会的立場を踏まえた上で、祟りが現実の社会状況を変容させるものとして作用する説話の意味構造を、説話成立の過程、時代状況とともに明らかにし、説話における「女」の意味の捉え直しを図る。

受賞の言葉
この度は、助成対象にお選びいただきありがとうございます。日々パワーアップする男子3人と格闘しながらの研究生活は、思うようにいかない日々と、それに納得できない自分の器の狭さとの葛藤の連続です。受賞は、このような私の生き方丸ごとを応援していただけることのように感じ、大変勇気付けられています。助成期間を実りあるものにし、同じく葛藤する女性へのエールとすることが、与えられた役割と身を引き締めています。
受賞後の様子
 本助成のおかげで保育園の延長保育および学童の預かり延長の利用が可能になりました。通学に伴う費用が確保できたことにより、自宅から離れた所属研究科の学内の共同研究に参加できるようになりました。さらに、これまで出来なかった遠方への調査が可能になり、長年温めてきた福島への調査を実現し、研究を大きく進展させることができました。
現在、調査の成果をまとめる作業を行っています。年明けの研究会で報告の上、学会発表の予定です。また、専門学校の非常勤講師職が決まり、専門分野について教えられる喜びを感じています。このプロジェクトの受賞経歴が評価されたものと感謝しています。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 本助成によって、延長保育を利用することができるようになり、研究環境が一転しました。学内プロジェクトに参加し、共同研究に携わったことをきっかけとして、研究会や読書会などの研究活動の場も広がりつつあります。さらに、遠方での調査が実現したこと、それをまとめるための時間を得られたことで、この2年は学会発表や論文の公表をしっかりと行うことができました。また助成を得たのちに専門学校の非常勤講師の職につくことができました。昨年度からは大学の有給研究員としての立場を得ることができ、現在は双方を掛け持ちしております。助成を得たことが評価されてのことだと思っております。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 長年ご指導いただいた先生が退職されました。先生が大学にお勤めされる最終年度となった昨年、不意に長男が「お母さんの先生にあいたい」と言い出しました。当時、子ども向けの『太平記』を読み聞かせており「お母さんの先生はこういうお話をとってもよく知っている」と自慢をしていたためかもしれません。
 先生を前にする長男の姿を見たときには、なんとも不思議な心持ちがしました。この子が、そして弟二人が生まれ成長していく傍らで、私は研究を続けてきたのだという事実。 子どもと生活をしながら研究を続けられたことは幸運であり、助成をいただいたことでこの幸運な立場を続けられることができています。ご厚恩を力に、今後も研究に邁進することが「幸運」を「当然」とする社会に変えていくと信じています。

◆女性研究者の環境改善

 ただでさえ研究と育児の両立は難しいものですが、研究時間を労働時間とみなしてもらえず、保育園に入園できないケースも多くあります。このような中、出産後の研究歴、教育歴にブランクができてしまうというのが多くの子育てをする研究者の現状としてあろうかと思います。研究歴のブランクは研究職につくためには非常に不利です。出産・育児期間のブランクを「育児休暇期間」としてみなしてもらう枠組みがあってほしいと思います。現状で研究のブランクは「研究への意欲を失った」と決めつけられ、復帰への道筋が閉ざされてしまいかねません。男性・女性問わず研究活動における「育児休暇期間」が認められ、男性中心の研究者の世界で、女性の研究活動をめぐる状況への理解が進めばと願っております。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


ページ上部へ戻る