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女性研究者への支援

第7回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

日笠晴香 東北大学大学院 文学研究科
研究テーマ 医療における意思決定モデルの構築−自律とQOLの考察に基づく臨床倫理的研究−

現在、医療において患者の自己決定を尊重することが原則となっているが、現実には患者の意思に従うことが患者の利益に反すると考えられる場合も少なくない。患者にとって最善の選択をすることは、家族や医療従事者にとっても困難な問題となりうる。本研究は、意思決定において尊重されるべき要件を考察し、医療現場で適切な意思決定が行われるようになることを目的とする。

受賞の言葉
助成対象に選んでいただきありがとうございます。私も夫も研究者を志すなかで、生計を立てながら研究と子育てを両立させることが常に困難な課題となっています。今回の受賞によって、女性として研究か子育てかの二者択一になるのではなく、どちらも諦めないための大きな支えをいただきました。ずっとご指導くださっている先生方と研究仲間に感謝し、社会に寄与する研究となるよう家族とともにさらに邁進したいと思います。
受賞後の様子
 9月に第二子を出産しました。第一子のときは出産後の体調不良のために、子どもと離れて過ごさなければならない期間があり、また、研究を完全に再開するまでには時間がかかってしまいました。しかし、第二子の出産後は経過も順調で、久しぶりの新生児の育児を楽しんでいます。研究を進めていくための支えが何も無い状態では、研究と育児の両立を考えることはとても困難であったと思いますが、この助成があることで、今回は研究を続けながらの出産・育児に安心して向かい合うことができました。幼い子どもの育児をしながらの研究再開には不安もありますが、助成をいただいていることが早期に研究を再開するための起動力となります。
 現在は、まだ片時も離れられない新生児と、外に出たがり動き回る2歳児の育児に追われ、思うように研究時間を確保することが難しい場合も多々ありますが、その分これまで以上に研究のための時間の確保と充実を真剣に考えるようになりました。研究者である夫と家事や育児を上手く分担して、子育てと研究の両方を大切にすることを目指したいと思っています。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 2年間の助成を頂けたことで、関連学会だけでなく、これまでは旅費捻出が困難で参加できなかった小規模の研究会や研究打ち合わせなど、研究にとって重要だと考えられる様々な会に参加することができました。第二子出産前後には、しばらく出張などを制限せざるを得ない時期がありましたが、その間も助成によって購入できた書籍や論文で、自宅での文献研究を中心に研究を継続することができました。2年間という期間で研究活動を見通せたことは、実質的にも精神的にも大きな支えになり、学会発表や学会誌に論文を掲載することができました。第一子出産時の身体トラブルは厳しい経験でしたが、第二子を無事に出産した現在では、医療に関する意思決定のあり方を考える私自身の研究の糧になったように思います。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 助成を頂いてから私自身が自分の研究活動を「仕事」と言えるようになり、子どもたちに「これからお仕事に行ってくるから、待っていてね」と伝えるようにしました。そうすると、子どもなりに、母親が普段の家庭生活とは違う「仕事」というところへ行くのだと理解したようで、「いってらっしゃい、おしごとがんばってきてね」と言ってくれるようになりました。この4月から保育施設に通うようになった第一子は、登園する際に、「ぼくはおしごとにいってくるから、おかあさんはまっててね」と言います。緊張しつつもはりきって通園している姿に、あらためて子どもの成長を実感しました。

◆女性研究者の環境改善

 女性研究者が子育てをしながら研究を続けるには、とにかく周囲の理解が不可欠だと思います。急に子どもが体調を崩すなどの理由によって、周囲の人に迷惑をかけてしまったり、研究のスピードを緩めたりせざるを得ないことがあります。子育てをしているから周囲の人に迷惑をかけても当然だとはもちろん思いません。ただ、特に子どもが未就学の時期などには、子どものことを優先せざるを得ない状況があるのだということを、周囲の人に理解して受け入れて頂けることで、子育てと研究の両立がずっとしやすくなるのではないかと思います。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


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