◆研究成果・研究環境の変化
2年間の助成を頂けたことで、関連学会だけでなく、これまでは旅費捻出が困難で参加できなかった小規模の研究会や研究打ち合わせなど、研究にとって重要だと考えられる様々な会に参加することができました。第二子出産前後には、しばらく出張などを制限せざるを得ない時期がありましたが、その間も助成によって購入できた書籍や論文で、自宅での文献研究を中心に研究を継続することができました。2年間という期間で研究活動を見通せたことは、実質的にも精神的にも大きな支えになり、学会発表や学会誌に論文を掲載することができました。第一子出産時の身体トラブルは厳しい経験でしたが、第二子を無事に出産した現在では、医療に関する意思決定のあり方を考える私自身の研究の糧になったように思います。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
助成を頂いてから私自身が自分の研究活動を「仕事」と言えるようになり、子どもたちに「これからお仕事に行ってくるから、待っていてね」と伝えるようにしました。そうすると、子どもなりに、母親が普段の家庭生活とは違う「仕事」というところへ行くのだと理解したようで、「いってらっしゃい、おしごとがんばってきてね」と言ってくれるようになりました。この4月から保育施設に通うようになった第一子は、登園する際に、「ぼくはおしごとにいってくるから、おかあさんはまっててね」と言います。緊張しつつもはりきって通園している姿に、あらためて子どもの成長を実感しました。
◆女性研究者の環境改善
女性研究者が子育てをしながら研究を続けるには、とにかく周囲の理解が不可欠だと思います。急に子どもが体調を崩すなどの理由によって、周囲の人に迷惑をかけてしまったり、研究のスピードを緩めたりせざるを得ないことがあります。子育てをしているから周囲の人に迷惑をかけても当然だとはもちろん思いません。ただ、特に子どもが未就学の時期などには、子どものことを優先せざるを得ない状況があるのだということを、周囲の人に理解して受け入れて頂けることで、子育てと研究の両立がずっとしやすくなるのではないかと思います。
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