ホーム > 住友生命について > 住友生命のCSR > 豊かな社会づくり > 少子化・子育て > 未来を強くする子育てプロジェクト > 女性研究者への支援 > 第7回 > 受賞者

未来を強くする子育てプロジェクト 子育て支援活動の表彰 女性研究者への支援 プロジェクトからのメッセージ 選考委員会のご紹介 結果発表 コンテンツマップ Facebook 住友生命公式ページ 住友生命のCSR
女性研究者への支援

第7回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

山口えり 早稲田大学 重点領域研究機構 東アジア「仏教」文明研究所
研究テーマ 日本古代の国家と災害認識―天体観念と祈雨儀礼から−

日本の古代から中世への転換は、政治史だけでなく、日本人の観念に関わる文化論・災因論からの検討も重要である。古代王権が重視した祈雨儀礼を探ると、災因の捉え方は7〜8世紀は「天皇の不徳」、9世紀は「祟」、9世紀後半には「理運」という“天体の動きが社会動向を規定する”思想へと変遷し、転換期と重なる。この「理運」の登場と変容を追跡し、古代から中世への展開を解明する。

受賞の言葉
助成対象としてご支援をいただきますこと、大変光栄です。 3人の子どもたちに囲まれ、幸せながらも、この数年は研究が計画通りに進まない状況に焦りを感じながら過ごしてきました。 研究をあきらめそうになる私を励まし、広島から頻繁に助けにきてくれる夫をはじめ、 応援してくれる家族、私の状況を理解し、温かくご指導くださっている先生方、そして、子どもたちがお世話になっている保育施設の先生方のおかげと感謝しております。
受賞後の様子
 3人の子どもたちは、昨年度までと同じ認可外保育施設へ登園しています。長男は5年間、長女は3年間半、次女は1年間半、通い慣れた保育所への登園のため、心穏やかに健やかに成長しています。認可保育園への転園は、私の勤務体系・時間との兼ね合いでできない状況ですが、本助成金のおかげで私自身の研究費が確保できているため、保育費用がこれまでのような大きな負担にはなっていません。そのため、子どもと一緒の時間は親子で楽しみ、メリハリのある研究と子育てができていると思います。
 夫は、私の研究時間の確保のため今まで以上に協力してくれます。また、子育ての相談にものってくれ、大変助かっています。両方の両親たちは、研究で助成金を得られることは大変光栄なことと応援してくれており、特に夫の両親からの理解は深まったと感じています。また、子どもたちも、受賞式に参加したことや調査に同行したことで、「お母さんはお勉強がお仕事なんだね。がんばって」と、幼いながらも私の研究を応援してくれています。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 1年目に研究会やシンポジウムへ積極的に参加して研究継続の意思を示すことができたことにより、研究者としての停滞期が終了にむかったと感じることができました。よく使用する資料を自宅に買いそろえることができたため、子どもと離れる時間を最小限にしつつ、効率的に勉強を進める基盤ができました。そして、2年目には、日本学術振興会特別研究員に採用され、研究環境は大きく変わりました。それまでの研究員時代は名ばかりでしたが、今は自分の研究時間を確保できるようになりました。成果を出さねばという焦燥感からではなく、学会発表や論文掲載に向き合えるようになりました。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 本助成のおかげで、多くの調査に行くことができました。子ども三人を連れて京都での調査も行えました。炎天下の宇治の調査は子どもの記憶にもよく残っているようで、テレビで宇治平等院鳳凰堂や紫式部の『源氏物語』などが出てくると「ここ行ったね」「このお話、知ってる」と話が盛り上がります。
 今まで自分自身が研究者を目指していることはもちろん、大学を卒業していることも子どもたちには話さないでいました。しかし、本助成受賞の授賞式に子どもたちと参加したあと、家に専門書が増え、子どもを連れて調査に行き、以前より積極的に学会に出かけるようになったことで、子どもたちも自然と、母の仕事は勉強であるということがわかってきたようです。自分が大学を卒業・大学院を修了していることを頑なに話さなかった私の心にもいつの間にか変化が生じ、助成2年目の夏にふとしたきっかけで、どのようなことを学んできたのか話すことができました。

◆女性研究者の環境改善

 研究と子育てとの両立は不可能と、周りからのプレッシャーがありました。両親の介護も加わった現在、現実は甘くないと今でもよく感じます。子どものいない研究者に比べると、私の研究成果は少なく、研究会への参加回数も少ないのが事実であり、それを否定するだけの力量は私にはありませんでした。しかし、研究者としての停滞期はあっても、子育てに集中した時期が終わった後、研究の場に戻れる環境があればより周囲の理解を得やすいのではと感じました。本プロジェクトの存在があり、復帰できる女性研究者が増えることで、少しずつ社会の目も変わっていくのではないかと期待しています。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


ページ上部へ戻る