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女性研究者への支援

第7回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

横田和子 早稲田大学 文学学術院
研究テーマ 存在論的アプローチによる言語意識教育の実践をめぐる臨床的研究

多言語化・多文化化が進む地域社会においては、学習者の言語の操作能力の向上のみならず、多様な言語能力をもつ他者といかなる関係を築いていくかという共生と共同体のための言語教育を構築する必要がある。本研究では異質さの排除や過剰な同質性を求める子どもたちの関係性のありように教育課題があると考え、存在論的アプローチによる新たな言語意識教育の実践を試みる。

受賞の言葉
子育てと研究の両立に苦労してきたこともあり、今回の受賞は本当に心強く、励みに感じております。また、周囲の支えなくして今回の受賞もありませんでした。改めて感謝の気持ちでいっぱいです。女性の多様な生き方を認める社会を築いていくうえで、こうした助成の存在は数少ない希望です。今後、研究を深化させることで、子育て中の女性研究者の活動の幅の広がりにつながればと思います。このたびは本当にありがとうございました。
受賞後の様子
 これまで足を運ぶことが難しかった地方の研究会や学会、学校現場、地域のNPO活動の現場などを訪問することができ、多くの方々に研究面での意見をいただくことができました。
 受賞と前後して、現在の勤務校への就職が決まったため、生活は激変しました。通勤が最短でも片道90分、時間のやりくり、家事、体力など、これまで以上に厳しいこともありますが、祖父母、保育園、職場と、周囲の理解に恵まれ、息子は元気に育っています。
 本助成のおかげでシッターを頼みやすくなり、本当に心強く、感謝しています。また、なにより、精神的に支えられている部分が大きいと感じています。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 助成1年目は、勤務校の着任1年目であり、嵐の中にいるような日々でした。覚えるべきことが山のようにあり、おまけに3箇所の非常勤を抱え、子どもは小学校一年生で、毎日が綱渡りでした。しかし、1年目の夏にスロベニア、フランス、ドイツに出張し、そのとき同行した研究者と共同執筆で本研究テーマの核心である、「聴く・語る」「対話」をテーマにした論文を構想することができ、その成果は、2年目に所属学科が出版した『未来を拓く児童教育学』の一節にまとめることができました。また、1年目の釜ヶ崎の訪問が、2年目にまとめた論考につながっているものもあります。このように継続して助成をいただいたおかげで、求めているテーマを長期的に温めることができたのは、幸運でした。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 本助成の経済的支援のおかげで、子連れで出張することができました。サポート学生と帯同して出張することで、子どもは学生とふれあう学びにもなり、学生たちにとっても子育てを理解してもらう学びの場になりました。
 子どもが皆勤賞をもらい、賞状を学校からもらってきたある日、部屋にあった本助成金の賞状を見つけて「読んで!」と頼んできました。すると、「お母さんすごい!」と大興奮していました。理由を聞くと、CMでよく知っている「あの住友生命から賞状もらったんだね!!」と。この助成に恥じない活動をしていかなければ、と思いました。

◆女性研究者の環境改善

 授賞式で「みなさんは、一人ではありません」と大日向選考委員にあたたかい言葉をかけていただいたこと、その語りで参加者の多くからすすり泣きがあったことを思い出すと、涙ぐんでしまいます。あの日のことは、忘れられません。
 子育て中の女性研究者は常に時間に追われています。非常勤講師時代に助成決定の通知をいただき、暗闇の中で一筋の光明を見る想いでした。自分はともかく、優秀な非常勤の先生方はたくさんいます。そうした若い研究者に光が当たる社会であって欲しいと思います。2年間が終わり、今、感謝しかありません。是非この貴重なプロジェクトが継続され、発展されることを祈っています。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


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