「インフルエンザ実態調査レポート」2026
~子どもが世帯内で最初に診断されやすい傾向、生活習慣や生活習慣病の
既往別にインフルエンザの入院リスクに差~
住友生命保険相互会社
住友生命保険相互会社(取締役 代表執行役社長 高田 幸徳、以下「住友生命」)と株式会社JMDC(代表取締役社長兼CEO 野口 亮、以下「JMDC」)は、JMDCが保有する医療ビッグデータを用いて、インフルエンザの診断・重症化に加え、健康・生活習慣、前シーズンの感染歴、世帯構成や家庭内での診断状況までを横断的に分析しました。
その結果、2024-2025シーズンには100人中約11人がインフルエンザと診断され、5~14歳で診断発生指数が高いことが確認されました。また、歩行習慣や睡眠による休養感などの生活習慣や生活習慣病の既往によって、インフルエンザの診断・入院リスクに差がみられました。さらに、前シーズンの感染歴によっても診断発生率に差がみられました。
さらに家庭内の診断状況を分析したところ、家族人数が増えるほど「家庭内感染率」が高まる傾向がみられ、5人以上世帯では51.4%となりました。つまり、インフルエンザと診断された人が1人以上いた5人以上世帯のうち、約半数の世帯で、同じシーズンに家族2人以上の診断が確認されたことになります。また、5~14歳の子どもが世帯内で最初に診断されやすい傾向も確認されました。 ※1
住友生命は、生命保険が本来持つ「安心」の価値を、万一への保障から日々の健康増進など「毎日」の安心へと拡げる「拡・保険」を推進しています。本調査を通じて得られた知見を一人ひとりの健康づくりや社会全体の感染症への備えに役立てていきます。
今回の調査は、約1000万人規模の医療ビッグデータを分析し、インフルエンザの診断・重症化だけでなく、健康・生活習慣や感染歴、家庭内での診断状況といった日常生活に身近な不確実さをデータによって可視化する取組みです。
住友生命は、“住友生命「Vitality」”をはじめとした健康増進を支援する商品・サービスの提供に加え、データサイエンスを通じて得られた知見を社会に還元することで、一人ひとりの健康づくりや、社会全体の感染症への備えに役立つ情報を提供し、「よりよく生きる」を支えていきます。
1.インフルエンザ実態調査レポートについて
「インフルエンザ実態調査レポート(以下、「本レポート」)」は、インフルエンザが毎年流行を繰り返し、家族内感染や重症化による医療負荷が生じている現状を踏まえ、インフルエンザの診断および重症化リスク、診断歴や家庭内感染の実態に関するエビデンスを提供することを目的としています。
本レポートでは、こうしたインフルエンザの実態を多面的に捉えるため、株式会社JMDCが保有する約1000万人規模の医療ビッグデータを用いて分析を行いました。
本調査の特徴は、インフルエンザの診断・重症化だけでなく、健康・生活習慣、前シーズンの感染歴、さらに世帯構成や家庭内での診断状況までを、同一の医療ビッグデータを用いて横断的に分析している点です。
具体的には、インフルエンザの重症度を「診断」「肺炎併発」「入院」「重症入院(ICU等)」の4段階で捉え、年齢・地域による違いに加え、歩行習慣や睡眠休養感などの生活習慣との関係、前シーズンの感染歴との関係、家族人数や世帯内の年齢構成と家庭内での診断状況との関係を分析しました。詳細は【調査結果のサマリー】および【別紙】をご参照ください。
※1 本レポートでは、同一世帯内で同一シーズンに複数名がインフルエンザと診断された世帯の割合を、便宜上「家庭内感染率」と表記しています。実際の感染経路を特定したものではありません。
◆調査結果のサマリー(詳細は【別紙】参照)
○100人中約11人がインフルエンザの診断を受ける(6頁)
・2024-2025シーズンのインフルエンザの診断発生率は10.91%と、100人中約11人がインフルエンザの診断を受けた。
・また、肺炎併発、入院、重症入院(ICU等)も一定数発生しており、重症度が高まるほど平均医療費は増加する傾向にあった。
○小児で診断リスクが高く、重い状態は高齢層でもリスクが高い傾向(8~9頁)
・インフルエンザの診断は特に5~14歳で発生指数が高かった。
・肺炎併発や入院、重症入院(ICU等)といった比較的重い状態は、小児に加え高齢層(JMDCデータで確認できる60~74歳)でも発生指数が高い傾向にあった。
○歩行習慣や睡眠休養感がない人、生活習慣病の既往がある人はリスクが高い傾向(11頁)
・歩行習慣がない人や、睡眠による休養感がない人は、そうでない人に比べてインフルエンザのリスクが高い傾向にあった。
・生活習慣病の既往がある人は、重症化に関するリスクが高い傾向がみられ、例えば降圧薬使用者は、使用していない人に比べて入院1.76倍、重症入院(ICU等)2.88倍となった。
○前シーズンの感染歴により、次シーズンのインフルエンザ診断発生率に差-風邪12.3%、新型コロナ13.4%、インフルエンザ9.9%(12~13頁)
・前シーズンに風邪の診断があった人では12.3%(診断なし9.3%)、新型コロナの診断があった人では13.4%(診断なし10.5%)と、翌シーズンのインフルエンザ診断発生率が高かった。
・一方、前シーズンにインフルエンザの診断があった人では9.9%と、診断がなかった人の11.1%を下回った。
・こうした差には、人との接触機会や受診行動、感染後の感染対策・ワクチン接種行動などが影響している可能性がある。
○5人以上世帯では「家庭内感染率※2」51.4%、5~14歳が世帯内の初発者になりやすい傾向(17~19頁)
・家族人数が増えるほど「家庭内感染率※3」は高まる傾向があり、世帯内では5~14歳の小児で初発診断発生率※3が高い傾向がみられた。
・また、子どもが初発者となる割合は、子ども1人世帯で約51~60%、2人世帯で約66~74%、3人世帯で約74~81%と、子どもの人数が多い世帯ほど高かった。
※2 本レポートでは、同一世帯内で同一シーズンに複数名がインフルエンザと診断された世帯の割合を、便宜上「家庭内感染率」と表記しています。実際の感染経路を特定したものではありません。
※3 2人以上の世帯に所属する人の中で、シーズン中に世帯内で最も早くインフルエンザと診断された者を「初発者」とし、所定の年齢区分別の初発者の割合を、便宜上「初発診断発生率」と表記しています。
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(よくあるご質問)
① 2024-2025シーズンは、どのくらいの人がインフルエンザと診断されたのでしょうか?
・今回の分析では、2024年9月から2025年8月までの「2024-2025シーズン」におけるインフルエンザの診断発生率は10.91%で、100人中約11人がインフルエンザと診断された結果となりました。
・年齢別では、特に5~14歳で診断発生指数が高い傾向がみられました。一方、肺炎併発、入院、重症入院(ICU等)といった比較的重い状態については、小児に加え、高齢層(JMDCデータで確認できる60~74歳まで)でも発生指数が高い傾向がみられました。
・なお、本分析は健康保険組合由来のレセプトデータに基づくものであり、医療機関を受診していない人や、受診してもインフルエンザと診断されなかった人は含まれません。
② 本レポートでは2024-2025シーズンのインフルエンザ診断発生率を10.91%としていますが、公的統計とは整合しているのでしょうか?
・対象集団や算出方法が異なるため、単純に比較することはできません。
・国立健康危機管理研究機構の感染症情報提供サイト※4では、全国の定点医療機関から報告された患者数をもとに、インフルエンザの流行状況や全国の医療機関を受診した患者数の推計値を把握することができます。2024年から2025年にかけては、全国約5,000のインフルエンザ定点医療機関から患者数が報告され、その報告をもとにした全国の累積推計受診者数は約1037.5万人とされています(2024年第36週~2025年第14週)。なお、2025年第15週以降は定点数の変更により推計対象に含まれていません。
・一方、本レポートの10.91%は、JMDCが保有する健康保険組合由来のデータを分析対象とし、その集団のうち2024年9月~2025年8月にレセプト上でインフルエンザの診断が確認された人の割合を算出したものです。また、JMDCデータは0~74歳の健康保険組合加入者を対象とし、40~50代が多いなど、日本全体とは年齢構成が異なります。しかし、大規模集団におけるインフルエンザの発生傾向を安定的に把握するとともに、年齢、生活習慣、既往歴、世帯構成などの観点から詳細に分析できる強みがあります。
・公的統計の「全国の医療機関を受診した患者数の推計」と、本レポートの「JMDCの分析対象集団における診断発生率」は、対象集団や算出方法、対象期間が異なるため数値を直接比較できるものではありません。公的統計で全国的な流行状況を把握しつつ、本レポートでは大規模な個人単位データを用いて、その背景や特徴をより詳細に捉えるという、相互に補完的な位置づけと考えています。
※4 詳細は次の URL をご参照ください。 https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/IASR/Vol46/549/549t.html
③ 運動や睡眠などの生活習慣と、インフルエンザには関係がありますか?
・今回の分析では、健診問診上「歩行習慣なし」「睡眠による休養感なし」に該当した人は、該当しない人と比べ、インフルエンザの診断や重症化に関する一部の指標でリスクが高い傾向がみられました。
・また、降圧薬、糖尿病治療薬、脂質異常症治療薬を使用している人では、入院や重症入院(ICU等)の相対リスクが高い傾向がみられました。例えば、降圧薬使用者では、使用していない人と比べ、入院の発生率が1.76倍、重症入院(ICU等)の発生率が2.88倍となりました。
・ただし、本分析は観察研究であり、運動や睡眠、治療薬の使用等がインフルエンザの発症・重症化に直接影響することを示したものではありません。
④ インフルエンザが重症化すると、医療費はどのくらい増えるのでしょうか?
・今回の分析では、インフルエンザの状態が重くなるほど、平均医療費が増加する傾向がみられました。
・2024-2025シーズンの10割負担相当の平均医療費は、診断では約1.8万円、肺炎併発では約4.5万円、入院では約57.4万円、重症入院(ICU等)では約111.9万円となりました。
・これらは患者本人が実際に窓口で支払う自己負担額ではなく、レセプトデータに基づく医療費です。また、本分析では性別・年齢を調整し、各区分の重複を排除して集計しています。
⑤ 一度インフルエンザにかかると、翌シーズンはかかりにくくなるのでしょうか?
・今回の分析では、前シーズンにインフルエンザの診断があった人の2024-2025シーズンの診断発生率は9.9%で、診断がなかった人の11.1%を下回りました。
・一方、前シーズンに風邪の診断があった人では12.3%(診断なし9.3%)、新型コロナの診断があった人では13.4%(診断なし10.5%)と、翌シーズンのインフルエンザ診断発生率が高い結果となりました。
・ただし、今回の分析では、ワクチン接種状況や感染対策行動、人との接触機会、医療機関の受診行動等を十分に把握していません。そのため、前シーズンの診断歴そのものが翌シーズンの診断発生率を直接変化させたと結論付けることはできません。
⑥ 家族が多いほど、インフルエンザは家庭内で広がりやすいのでしょうか?
・今回の分析では、同一世帯内で同一シーズンに複数人がインフルエンザと診断された世帯の割合は、2人世帯18.5%、3人世帯33.3%、4人世帯43.1%、5人以上世帯51.4%と、家族人数が多いほど高くなる傾向がみられました。
・本レポートでは、この割合を便宜上「家庭内感染率」と表記しています。
・ただし、レセプトデータから実際の感染経路を特定することはできないため、同じ世帯の家族間で感染したことを直接示すものではなく、家族それぞれが家庭外で感染したケース等が含まれている可能性があります。
⑦ 子どもは家庭内で最初にインフルエンザと診断されやすいのでしょうか?
・今回の分析では、5~14歳で世帯内の初発診断発生率が高い傾向がみられました。
・また、インフルエンザの診断が確認された世帯では、子どもが世帯内で最初に診断された割合は、子ども1人世帯で約51~60%、2人世帯で約66~74%、3人世帯で約74~81%となり、子どもの人数が多い世帯ほど高くなりました。年齢構成別では、6歳以下の子どもが多い世帯より、7~12歳の子どもが多い世帯で、その割合が高い傾向がみられました。
・ただし、「初発者」はレセプト上で最も早く診断された人を指すものであり、実際に最初に発症した人や、家庭内への感染源を特定したものではありません。
⑧ 2026年は、例年よりインフルエンザの流行が早いのでしょうか?
・厚生労働省は2026年8月28日、全国の定点医療機関からのインフルエンザ報告数が流行開始の目安を上回ったとして、流行入りを公表しました。感染症法が施行された1999年以来、2番目に早い流行入りです。
・2025年は9月22~28日の週に流行開始の目安を上回っており、2026年は前年より約1か月早い時期から流行が確認されています。
・なお、流行入りが早いことが、その後の流行規模が大きくなることを意味するものではありません。
⑨ 住友生命がインフルエンザの調査や健康づくりの支援に取り組むのはなぜですか?
・住友生命では、生命保険が本来持つ「安心」の価値を「一人ひとり」「社会」「地球・将来世代」へ拡げ、万一への保障だけでなく、健康増進など「毎日」の安心や一人ひとりの「よりよく生きる」を支えることを「拡・保険」と位置づけています。
・今回の調査は、医療ビッグデータを活用して、インフルエンザの診断・重症化、生活習慣、感染歴、家庭内での診断状況等を可視化し、一人ひとりの健康づくりや社会全体の感染症への備えに役立つ知見を提供する取組みです。
・また、“住友生命「Vitality」”等を通じた日々の健康づくりの支援と、インフルエンザ罹患時の経済的な備えを提供することで、予防・健康増進から万一の保障まで、「一人ひとり」に提供する安心の価値を拡げることを目指しています。
以上












