ホーム > 住友生命について > サステナビリティ > ステークホルダーとの信頼関係の構築 > 豊かな社会づくり > 子育て支援 > 未来を築く子育てプロジェクト > 子育て支援活動の表彰 > 第5回受賞団体
子どもは地域の宝、そして希望 寺子屋に通うようになってから、夏休みを計画的に過ごせるようになりました。家の手伝いも自主的にしています。 朝学の様子を参観しました。先輩が後輩の面倒を見るなど、異なる年齢の子どもたちが互いに協力して学ぶ姿に感動しました。
【受賞の言葉】
現在、地方が抱える課題のひとつに「少子化」がありますが、ひさかた地区では「子どもは地域の宝である」と考え、住民が一体となって子育て支援に取り組んできました。学校教育制度がまだ整っていなかった時代に寺子屋という素晴らしい仕組みをつくった先人に倣って、地域の子どもたちを地域の手で育てることを目標に私たちも現代版の寺子屋を開設。多くの方との出会いや支えにも恵まれて、20年以上にもわたって活動を続けることができています。このたび、長年の寺子屋活動が評価され受賞となりましたこと、光栄に思っています。寺子屋の数をもっと増やし、今後は「寺子屋のまち」として認められるよう頑張っていきたいと思います。
受賞により寺子屋に関心が高まり、新しい寺子屋を開設する地域(飯田市松尾町)が生まれました。また、ひさかた風土舎の活動全体に興味が持たれたことで、住民の地域活動が活発化しています。寺子の数も2011年度の8人から2012年度は21人に増え、寺子屋活動がテレビで放映されて寺子たちの励みになりました。副賞を使って活動記録を映像化して保存し、記録を小学校・公民館・師匠、寺子、新たに寺子屋が出来た松尾地区などに頒布してPR活動を行うとともに、次年度以降の寺子屋活動の資金として活用していきたいです。
今後は、小学校や保護者と連携して寺子屋運営の充実策を検討しており、朝の学習や陶芸教室などを計画しています。新たにできた寺子屋とも連携を取り、寺子屋開設の輪が広がることを目指しています。
夏休みの間、地域の大人が「師匠」となって、子どもたちに勉強や遊びを教える「寺子屋」活動を20年間にわたって実施
●かつての寺子屋制度を現代に蘇らせる
夏休みの期間限定で行っている私たちの「寺子屋」は、朝のラジオ体操終了が開校の合図。地域の大人(師匠)が見守る中、子ども(寺子)たちはそれぞれ学校の宿題に取り組みます。寺子屋では勉強以外にも、工作や魚釣りなども教えています。寺子たちや保護者のリクエストを聞きながら、毎年色々なプログラムを準備しています。
寺子屋での学習は「自学自習」が基本ですが、わからないことがあれば周りの人に聞くこともできます。ですが師匠に聞く前に、まずは友達や上級生に聞くというルールを決めています。異年齢の子どもたちが自然と助け合うことを促すためのルールです。
学校教育制度がまだ整っていなかった昔、先輩たちは寺子屋を開いて、地域の子どもを地域の力で教育していました。私たちの寺子屋も、そうした先人たちの知恵と熱意をしっかりと受け継いでいます。
●地域発の取り組みは国境を越えて
「行政頼みでない、自らの力による地域作り」をモットーに、教育ばかりでなく地域の農業やインフラの整備にも力を入れてきました。そうした活動が実を結び、京都大学や日本福祉大学の学生など、明日を担う若い世代との交流も生まれています。そして交流は、国内だけにとどまりません。上久堅地区の水道の仕組みを学びに、フィリピンの役場の方が視察に来ました。また、JICA研修生のための農業研修の受け入れはもう十数年続いています。ひさかた風土舎の「風」の字には「外からもたらされる新たな価値観」の意を込めているのですが、国内外を問わず外部の方との交流を通して、上久堅地区には常に新鮮な風が吹き込んでいます。
●上久堅地区を寺子屋の町にしたい
20年にもわたり活動を続けてきたことで、かつての寺子が今では親世代になっています。親子二世代、さらには親子孫の三世代で「寺子屋で学び、遊んだ」という体験を共有することができるようになればと願っています。