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プロジェクトからのメッセージ

エッセイ・コンクール

日本の元気が感じられる応募をお待ちしています

池田守男(株式会社資生堂相談役、東洋英和女学院理事長兼院長 他)

 今、多くの皆さんが、日本の明るい未来を担う子供たちの健全で元気な成長を願って、様々な場面で地域社会と一体となった活動を展開しています。私自身も、「地域ぐるみの子育て、地域ぐるみの教育」を実践できる地域コミュニティをもう一度復活させたいと強く思っています。
 皆さんの身近で行われている「子育てを通じた、人とのふれあいや交流」、そして、皆さんが日々感じている「未来を築く子育て」「豊かな人間性を育む子育て」など、小さなヒントが、大きな流れとなった時に、子供たちにとって素晴らしい未来が開けてきます。皆さんの子育てに対する思いと活動を、子供たちの明るい未来へ繋げていきましょう。

吉永 みち子(作家)

 これまで応募いただいたエッセイには、子育ての悩みや戸惑いや孤独を包み込むように、たくさんの知恵や工夫や驚きや発見や喜びが生き生きと記されていました。誰も助けてくれない・・と、意地や突っ張りや頑張りで固まった気持ちを緩めると、家族ばかりでなく近所にもたくさんの手があることが見えてくるのかもしれません。地域にも子育ての先輩はたくさんいます。知らないおばあちゃんやおじいちゃんが、世代を超えた友だちにもなれる。家族のように支えてくれる人がいれば、何より親が励まされる。エッセイを通して、子供には地域や人を結びつける力があるのだと感じさせられました。
 子育ての時期は、むしろこれまでの人間関係を大きく広げるチャンスでもあります。こんなふうに乗り越えたという知恵や、思いがけない協力者の存在や、地域で子育ての楽しみを共有できた喜びなど様々な発見や経験を、ちょっと先輩として、あるいは大先輩として、是非お寄せ下さい。子育て中の人にも次の世代にも大きなパワーになると思います。

子育て支援活動の表彰

"子育て支援活動"を応援します!!

地域社会で子どもたちの「共助」の力を育てよう

堀田 力(未来を築く子育てプロジェクト実行委員長:財団法人さわやか福祉財団理事長、弁護士)

 少子化社会がもたらした最大の負の影響は、地域での異年齢の子どもたちとの交流を通じて成長していくという教育環境を壊したことだと考えています。
 今の子どもたちは、家庭では親、学校では教師といったように大人と子どもの縦の関係だけが主となり、地域での異年齢の子ども同士の横の関係が少なくなってしまっています。
 大人の言うことを聞いていればよいという毎日の中で、「自助」の力も弱いし、「共助」の力は育っていかないという社会になってしまったように感じています。「自助」の力はともかく、「共助」の力を育てることは、親(大人)ではできません。異年齢の子どもたちが一緒に遊び、お互いに助け合い、時には競い合っていく中で、自然と身に付いていくものだと思います。そういった背景から、地域社会の中で子育てを支援する団体等だからこそできる活動が重要だと考えています。
 「共助」の大切さを認識し、そうした理念をもって具体的な子育て支援活動を行っている団体等に、是非応募してもらいたいと思っています。

活動期間が十分でなくても活動継続を期待したいものをしっかりと見守っていきたい

奥山千鶴子(未来を築く子育てプロジェクト実行委員:特定非営利活動法人びーのびーの理事長)

 これまでの受賞団体の活動を見ると、地域の特性に則した取組みに着実な成果を挙げていることを素晴らしく思っています。本プロジェクトを通して、こうした取組みが全国に拡がっていくよう、自ら積極的に紹介していきたいと思います。
 本年度の選考にあたっては、必ずしも活動期間が十分でなくても、活動内容がユニークで、着実に実績を積み上げており、今後、継続的な活動を期待したい団体等もしっかりと見守っていきたいと考えました。また、全国的に広く認知された状況にはないものの、その地域の中で根をおろして活動されている団体にもより目を配っていきたいと考えています。
 子どもを育てるには、多くの人の手と目が必要です。家庭が本来持っている子育て力を十分発揮できるよう応援する、多様な取り組みの応募を期待しています。

女性研究者への支援

研究と子育ての両立をサポートしたい

大日向雅美(未来を築く子育てプロジェクト実行委員:恵泉女学園大学大学院教授)

 他の国に比べて日本社会が女性の力の活用の面で遅れていることは、国際統計(世界ジェンダー格差指数など)を見ても明らかです。特に雇用者に占める女性研究者の割合が低いことが特徴であり、国も女性研究者支援制度の整備に動き始めていますが、主に定職に就いている研究者が対象とされ、研究実績の評価に重点が置かれているのが現状です。
 しかし、女性研究者にとって最も必要な支援は、何はさておき研究継続への支援です。研究の道を志ながら、育児や家事との両立の壁に阻まれ、道半ばで断念せざるを得ない人がどれ程多くいることでしょう。
 本助成が目指すところは研究成果が見えにくい人文・社会科学領域の研究者を対象とし、萌芽的な研究にも支援をするものです。人間社会の営みにとって重要な課題を扱いながらも、成果がすぐには現れにくい研究に挑戦することは、子育ての難しさと喜びを体感する姿にも通じるものがあります。
 女性研究者が直面している真の労苦に光を当てた本助成を得て、自らが選んだ道にかける情熱と夢を明日へと繋いでいただくことを期待しています。

子どもがいるからこその視点を持って研究生活を

金田一秀穂(杏林大学外国語学部教授、言語学者)

 これまでプロジェクトに関わってきて、子どもを育てながら研究を続けている方が全国にたくさんいらっしゃる事を、改めて認識しました。
 応募書類を見ていると、周囲の協力を取り付けて上手に研究を続けている方、子どもがいることで見る角度が変わり研究に幅が出た方など、研究者としての努力を惜しまずに続けている様子がうかがえます。
 このプロジェクトは、子育て支援の面も大いにありますので、研究内容だけでの評価はしていません。研究継続のためにどんな工夫・努力をしているのか、選考の中から読み取り感じることができればと思っています。
 現実は厳しいかもしれませんが、「子どもがいるからこそできる研究」の視点を持って子育てをしながらの研究を継続していただけるような支援ができればと思っています。
 大変だからとあきらめてしまうのではなく、お子さまと一緒により充実した研究生活を送っていただくことが、私達の願いです。