募集結果
第4回「未来を築く子育てプロジェクト」では、2010年6月から9月までの間、「エッセイ・コンクール」、「子育て支援活動の表彰」、「女性研究者への支援」の3部門の募集をいたしました。
「エッセイ・コンクール」には1,186編、「子育て支援活動の表彰」には146組、「女性研究者への支援」には152名のご応募をいただきました。
12月中旬に開かれた実行委員会で最終選考が行われ、各部門の受賞者が決定しました。
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応募数 |
表彰 |
エッセイ・コンクール |
1,186 編 (郵送 745 WEB 441) |
内閣府特命担当大臣(少子化対策)賞/最優秀賞から1編
厚生労働大臣賞/最優秀賞から1編
最優秀賞/5編
優秀賞/ 20 編
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子育て支援活動の表彰 |
146 組 |
内閣府特命担当大臣(少子化対策)賞/未来大賞の1組に授与
厚生労働大臣賞/未来大賞の1組に授与
未来大賞/未来賞から2組
未来賞/9組
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女性研究者への支援 |
152 名 |
スミセイ女性研究者支援/10名
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ご挨拶
「未来を築く子育てプロジェクト」実行委員長 堀田 力
昨今、子育て・子育ち支援に社会的注目が集まってきており、それは大変喜ばしいことなのですが、ともすると、子どもを主体に置いて育てるという視点が忘れられているように感じていました。そうした中、子育て支援活動では、子どもを主体として子育てに取り組むという「深まり」、多様な地域の方々が子育て支援に参加してきているという「広がり」が確認できたことは大きな成果でした。このような活動に光を当てることができるのも、「民」が主体となった本プロジェクトだからこそと思います。また、女性研究者では、子育てをしながら、家族の協力も仰ぐ努力をした上で、研究への情熱を失わないという、すばらしい姿勢を持つ方を対象とさせていただきました。エッセイ受賞作品も、そうした実行委員からのメッセージが感じられる作品となっていると思います。
【公益財団法人さわやか福祉財団理事長、弁護士】
「未来を築く子育てプロジェクト」実行委員 横山 進一
このプロジェクトも今回で4回目を迎えますが、回を重ねるごとに応募者に地域的な拡がりが見られ、本プロジェクトが全国的に認知されつつあるのではないかと感じております。また、第1回目に受賞された女性研究者への2年間の助成を終え、助成金の活用状況や研究の成果に関する最終報告書を拝読しましたが、研究継続のための勇気をもらったなどの感謝の言葉やお褒めの言葉をいただき、大変うれしく思いました。
子育てを取り巻く環境が大きく変化する中、子育て支援活動のさらなる充実が必要となっております。今回、子育て支援活動の受賞者数を10組程度へと倍に増やし、子育て事業の一層の活性化を図ることといたしましたが、引き続き、本プロジェクトを通して「子育てのすばらしさ」を広く啓発し、安心して子どもを産み、育てることのできる環境づくりに貢献してまいりたいと考えております。
【住友生命保険相互会社取締役会長】
「未来を築く子育てプロジェクト」実行委員会 講評
池田 守男
本プロジェクトも4回目を迎えましたが、3事業ともすばらしい結果になったと思います。これまでにも増して、多様な考え方や視点を持った活動を見ることができ、メッセージ性の強いものが増えていることを実感しました。また、エッセイにおいても、子育てを通じたその方の生き方が表現されており、私たち実行委員にも多くの気付きを与えてくれました。子育ては家族間だけの問題ではなく、地域社会全体で取り組むべき問題かと思います。このプロジェクトを社会に発信することで、さらに子育て支援の輪が広がり、家族の絆・地域の絆が広がっていくことを願っています。
【株式会社資生堂相談役】
大日向 雅美
昨今の社会情勢を反映してか、女性研究者が置かれている状況は従来に増して厳しいようです。今回受賞された方々は環境の過酷さにめげず、周囲の支援を得る努力を懸命にしつつ、研究継続に熱意を持っておられる方々だと思います。本助成が必ずや未来のすばらしい研究成果につながることを期待したいと思います。
子育て支援活動の応募では、子どもの育つ力や主体性を引き出そうとする活動など、支援に新たな視点を盛り込んだ活動が注目されました。地域の特性やニーズに応えようとしたものも増えて、活動内容が多岐にわたっています。同時に、活動する人々の層も幅広くなっており、それぞれが喜びをもって楽しく活動している姿が印象的でした。受賞団体の活動が、全国の子育て支援の新たな道標となることを願っております。
【恵泉女学園大学大学院教授】
奥山 千鶴子
エッセイについては、子育て中の親のみならず子ども自身が書いた作品など世代を超え、社会全体に子育て支援が広まっている印象を受けました。子育て支援活動部門では、特に少子化が進む地域で、現状を何とかしなければならないという熱い思いで活動をされている方々が多く見受けられました。たとえば、次世代を託す小中学生に赤ちゃんと触れ合う体験をさせることで各世代をつなぐ活動や、駄菓子屋を中心とした子どもと地域社会との関係づくりに取り組んでいる活動などがありました。日本では中学生になっても主体的に社会に関われていないという現状があります。今回の受賞に見られるように、子どもが主体的に社会と関わりを持てるような支援がますます求められてくると思っています。
【特定非営利活動法人 びーのびーの理事長】
金田一 秀穂
これだけ優秀な方々が、子育てにより研究を犠牲にしてしまうことは、大きな損失であると感じています。選考では、昨年と同様、『子どもがいるからこそ』の視点で研究をされている方を中心に選出しました。今年の応募の特徴として、外国からの留学生が多いこともあげられます。将来的に、日本が世界に向けた文化の発信基地となるためにも、本プロジェクトを通じて、留学生たちが日本で研究できる環境を援助できることは、とてもうれしいことです。支援が終了した第1回受賞者の最終報告書を見て、2年間の研究成果、子育て環境の変化をみると研究成果を発表し、就職をした方もおり、研究継続のために支援できることのすばらしさを改めて感じました。
【杏林大学外国語学部教授】
吉永 みち子
エッセイの最優秀賞は、14歳から62歳までという年齢の広がりが見られました。14歳の中学生が子育てを考えるというのは、大変に貴重な芽が吹き始めたのではないかと予感させてくれました。中学校や高校で保育を体験させる学校が増えてきていることの実りが見えた気がします。また、おじいちゃん、おばあちゃんの子育て参加の方向も、家族内を越えて新たな縁のつながりや、自らの喜びや、社会とのつながりを求める質的な転換も拡大しているように思います。さらに、今年気づいたのは、メールや携帯電話やネット社会に生きる若い世代にとって、今まさに直面している困難への緊急避難的な励ましも大きな力になるということ。情報通信技術の発達がもたらす横のつながりが、旧世代の想像を超えた新しい支援のあり方を生み出しているという確かな手ごたえが感じられました。
【作家】