募集結果
第5回「未来を築く子育てプロジェクト」では、2011年6月から9月までの間、「エッセイ・コンクール」、「子育て支援活動の表彰」、「女性研究者への支援」の3部門の募集をいたしました。
「エッセイ・コンクール」には1,177編、「子育て支援活動の表彰」には127組、「女性研究者への支援」には119名のご応募をいただきました。
12月中旬に開かれた実行委員会で最終選考が行われ、各部門の受賞者が決定しました。
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応募数 |
表彰 |
エッセイ・コンクール |
1,177 編 (郵送 732 WEB 445) |
内閣府特命担当大臣(少子化対策)賞/最優秀賞から1編
文部科学大臣賞/最優秀賞から1編
厚生労働大臣賞/最優秀賞から1編
最優秀賞/4編
優秀賞/ 20 編
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子育て支援活動の表彰 |
127 組 |
内閣府特命担当大臣(少子化対策)賞/未来大賞の1組に授与
文部科学大臣賞/未来大賞の1組に授与
厚生労働大臣賞/未来大賞の1組に授与
未来大賞/未来賞から3組
未来賞/10組
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女性研究者への支援 |
119 名 |
スミセイ女性研究者支援/10名
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ご挨拶
「未来を築く子育てプロジェクト」実行委員長 堀田 力
かつてあった「共助」の精神が希薄になり、社会や地域ぐるみで子育てをすることが敬遠されがちな現状に対して、3部門いずれも、人とのつながりの中で子育てをすることの大切さを改めて世に問う選考結果になったと思います。
子育て支援活動の選考では、地域の子育て環境の改善に真摯に取り組んでいる団体を、女性研究者の選考では、育児と研究の両立に向けて今後も邁進していくことのできる高い志を持った方を選ばせていただきました。また、エッセイについては、家族や地域の中での「絆」を描いた作品が強い印象を残しました。子どもを育てる担い手には、家族、学校、地域などがありますが、今回の選考を通して、家族または地域による子育てはこのようにあってほしいという、私たちのメッセージを打ち出すことができたのではないかと思っております。
【公益財団法人さわやか福祉財団理事長、弁護士】
「未来を築く子育てプロジェクト」実行委員 横山 進一
私たち住友生命の創業百周年記念事業として平成19年にスタートさせた本プロジェクトは、今回で5回目を迎えました。内閣府特命担当大臣賞、厚生労働大臣賞に加え、文部科学大臣賞も授与していただけることとなり大変光栄に存じます。
今まで継続して取り組んでまいりました3つの公募事業の他に、今回は3月の東日本大震災の発生を受け、被災した子どもたちのため、急遽、東日本大震災「緊急支援プログラム」を実施させていただきました。震災の影響もあり、従来以上に「子育て」環境が逼迫している現状を痛感しております。住友生命では、これからも「子育て」を応援し子どもたちの未来が明るく強いものとなるように貢献していきたいと考えております。
【住友生命保険相互会社取締役会長】
「未来を築く子育てプロジェクト」実行委員会 講評
池田 守男
「民間や地域が主体となって子育てを支援する」、そんな時代の趨勢を反映した選考になったと思います。子育て支援活動部門では、地域に根差した団体からの応募が多く、「お互いに支え合い助け合うことこそが、地域そして人間のあるべき姿である」という考えが広く定着しつつあることを実感しました。また、エッセイと女性研究者の部門では選考を通じて、子育ての分野には未解決の問題が山積している事実に改めて気づかされました。子育ての素晴らしさとともに、そうした育児をめぐる現状や課題を世に知らしめ、心ある人たちの“気づき”を促すこともまた、本プロジェクトの重要な役割であると考えています。
【株式会社資生堂相談役】
大日向 雅美
研究者を取り巻く環境が厳しさを増していることが、昨年以上に強く感じられました。そのような中にあっても、研究と育児をしっかりと両立させている女性研究者の姿には頭が下がる思いがいたしました。今回選ばれた方も過去の受賞者同様に、受賞をきっかけにして家族や大学、地域に認められ、「子どもと共に生きる研究者」として着実に歩む姿を多くの人に示してくださることと期待しております。
子育て支援活動部門では、数十年にもわたり地域のニーズに応え続けてきた団体や、そこに暮らす人たちのSOSの声に手を差し伸べるべく立ち上がった団体など、地域が抱える問題に真正面から向き合った団体を選ばせていただきました。
【恵泉女学園大学大学院教授】
奥山 千鶴子
子育て支援活動の表彰も今回で5回を数えましたが、全国には、地域に根差した活動を地道に行っている団体がまだまだたくさんあることを再認識させられました。地域の子育てを縁の下で支える団体に光を当てることで、その素晴らしい活動を多くの人に知っていただくことの意義は決して小さくないと思います。
エッセイについては、今回から文部科学大臣賞が新設されましたが、選考に際しては、学校教育だけでない地域社会を含めた生涯学習の観点を重視しました。今年の応募作品は、同じ「子育て」をテーマにしながらも内容は多岐にわたり、また幅広い世代の方々が応募してくださっている点に、これまで以上の“広がり”を感じました。
【特定非営利活動法人 びーのびーの理事長】
金田一 秀穂
研究の場所や時間を確保することさえままならない厳しい環境にありながらも、今回応募いただいた研究者はどなたも、研究に対する意欲にあふれる方ばかりでした。本プロジェクトによる助成が、そうした研究者の方々にとって、今後も研究を続けていく上での“精神的原動力”になればうれしく思います。そして例年に比べますと、積極的に海外に渡って調査・研究活動を行う、国際感覚を持った研究者が増えたように感じました。また、昨年に引き続き、海外からの留学生による応募も多く見られました。
研究とは普遍的なものです。日本という狭い枠組みではなく、広く地球全体の「未来を築く」ために、この女性研究者支援が役に立てば良いと思います。
【杏林大学外国語学部教授】
吉永 みち子
父親が子どもたちと一緒になって子育てを楽しむ様子を描いた作品や、地域の伝統行事への参加を通じて子どもたちが成長していく姿を描いた作品など、これまでにない作風のエッセイが印象的でした。一方で、身の回りの出来事を題材にした作品や内省的な内容の作品が多かった点も今年の特徴です。身近な家族や地域を改めて見直す作品が多く寄せられた背景には、震災の影響もあったと思われます。今回の選考では、身近なところに目を向けつつも、「気づき」や「発見」がしっかりと描かれていた作品を選ばせていただきました。元気なお年寄りや子育て経験者が活躍するエッセイには、日本の子育て環境をより良いものにしていくためのヒントが隠されているように思います。
【作家】