ホーム > 住友生命について > 住友生命のCSR > 豊かな社会づくり > 少子化・子育て > 未来を築く子育てプロジェクト > 女性研究者への支援 > 第1回受賞作品

女性研究者への支援

第1回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

小野 史【東京大学大学院農学生命科学研究科】

研究テーマ:「飽食」下における現代的「飢餓」進行要因の究明―経済的・文化的要素の交差としての食生活―

 「食料消費構造の規定要因の析出と日本的特質の解明」をテーマに研究しています。その一環として、今回申請している研究題目を考えています。各種統計の分析を基礎に、食の現場への聞き取り調査を行い、考察を深めます。独自に設計したアンケート調査を行うことも考えています。

【受賞の言葉】
 このたびは助成対象者に選んでいただきありがとうございます。まだ学生で研究者としては未熟ですが、「可能性」に手を差し伸べていただいたと受け止めております。この助成を力にして、研究者としてひとり立ちできるよう、しっかりと前に進んでいく所存です。

受賞後の様子

【東京大学大学院 農学生命科学研究科 2008年時点】
 精神的な面で得られたものの第一は、「選んでいただいた」という誇りと自信である。私の場合、研究に従事してきた年数も短く、業績もほとんどない。「可能性」に対して助成していただいたのだ、近年のアカデミック分野は「業績」での評価が基本であり、「可能性」に助成していただけるケースはほとんどなく、本当にありがたいチャンスをいただいたと思っている。そのことが誇りと自信になり、また「選んでいただいた以上、成果を出さなければ」という使命感ともなって、研究の後押しをしてくれている。休日や緊急時にも、必要であれば研究できる体制を整備していくことで、実際に調査・研究を滞りなく進められる環境ができつつあるだけでなく、子どもを言い訳にした諦めや甘えを封印して研究に注力する姿勢も養われていると思う。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 申請時点では助成期間中に博士号を取得する計画でしたが、計画どおり研究が進まず、現在博士論文を執筆中です。また、財団法人日本統計協会の研究助成事業の対象としても助成金をいただけることになりました。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 助成により経済的に若干余裕ができたことで、心身のメンテナンスを行うことができました。しかし、経済的支援や周囲の理解、家族の協力に甘え、無意識のうちに自分が「子育て中」であることを研究が遅れる理由としていた部分があったと思い、2010年度は博士論文の執筆に注力する所存です。
 また、東京大学では子育て中の学生サークル「東大PIGGYBACKS」ができ、私も参加しています。
◆女性研究者の環境改善
 女性研究者をめぐる環境は明らかに改善されていますが、もう一歩前に進むためには、女性の参画が進むことで、女性だけではなく男性も含めたコミュニティ・社会全体にメリットがあるということが実感され共有されることが必要だと思います。また、研究で生活資金を得ることができている女性研究者と女性大学院生では、必要な支援などが異なるため、それを踏まえたサポートや人材配置が必要だと思います。


ページの先頭へ戻る