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女性研究者への支援

第1回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

東海林 亜矢子【お茶の水女子大学大学院人間文化研究科】

研究テーマ:「場からみる日本古代王権と后」(日本古代史・女性史)

 奈良・平安時代の后の研究により、当時の女性が政治に主体的に関与し、それが王権や社会を安定させるシステムとして機能していた事実を明らかにしたいと考えています。通史的な解釈を排除することで、「昔からこうだった」というような女性に対する画一的な先入観を取り去っていければ、と思います。

【受賞の言葉】
 0歳と5歳の子どもがいる上、夫の転勤のため研究拠点の東京を離れた私にとりまして、研究を続けていくことは時間的にも金銭的にもかなり困難ではありますが、今回の受賞を支えに頑張ろうと思います。ありがとうございました。

受賞後の様子

【お茶の水女子大学大学院 2008年時点】
 子供たちは、一般的な働いている母親ではない私がどのようなことをしているのかわかっていませんでしたが、あのような立派な授賞式をしていただいたおかげで、上の子供(当時、幼稚園年中)は「僕もママみたいに賞状をもらえるようにがんばる」と言い、また私に「がんばってね」といってくれるようになったことが大きな喜びでした。人文系では若手研究者がもらえるような賞などはほとんどなく、研究者の間以外でも通じるようなある程度客観的な評価を受けることは学位以外には難しいので、そういう意味でもこのような助成金は貴重だと思いました。昨今の不況の折、すぐ何かに結実するようなものではないこのような活動は何かと大変かとは思いますが、ぜひ続けていただいて、多くの人文系女性研究者を支援していただけますようお願いいたします。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 課程博士号取得を目指し、2009年4月に夫の赴任先である福島より東京に子ども2人とともに引っ越しましたが、家族や自分自身の病気などがあり、博士号を取得することができずに在学年限を迎え、単位取得満期退学いたしました。2009年度中に進めた研究やデータをもとに、予備審査が免除される2010年度中の学位論文提出および論文博士号取得を目指しています。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 保育園の利用や、夫の協力で、時には週末の学会に顔を出して最新の研究に触れることができました。助成のおかげで経済的余裕が得られ、家族の協力も深まったと思います。自分の研究に助成をいただいているという充足感は本当に大きく「お金にもならないことで子どもを預けたりお金を使ったりして…」という劣等感から多少なりとも解放されたことが、私にとって今回得られた一番大きい成果のように感じています。
◆女性研究者の環境改善
 国や公的機関が短期的に成果の出にくい分野に助成金などを出してくれない現状においては、本プロジェクトは本当に貴重な存在です。このような地道な支援プロジェクトが続くことを願っています。


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