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女性研究者への支援

第2回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

馬場わかな【東京外国語大学大学院 地域文化研究科博士後期課程】

疾病・医療からみるドイツ社会国家の生成

 日本でいう福祉国家を、ドイツでは社会国家といいます。疾病の状況や医療のあり方を入り口として、日本でいう福祉国家の生成過程とその特質を解明することを目的とし、ドイツを研究対象としています。すでに同様のテーマで論文を執筆しましたが、福祉国家研究には少なからぬ先行研究の蓄積があるものの、疾病や医療という観点から切り込んだものは決して多くはありません。今後は、ドイツでの調査も加味して、基礎的なデータ収集などにも時間をかけ、あと2年程度で研究成果をまとめたいと思っています。

【受賞の言葉】
 このたびは助成対象に選んでいただき、心より感謝申し上げます。私は、子どもの病気やそのケアを事例として、社会政策のさまざまな制度や実践が近代化する過程について研究しております。自らの育児の経験を重ね合わせつつ、この研究テーマに取り組み、成果をあげられるよう努力していく所存です。

受賞後の様子

「子どもと過ごす時間を大切にしながら研究に取り組む」  育児のために1年間休学していた大学院に復学して研究を続けています。学会や研究会にも積極的に参加し、学会報告や学会誌への論文投稿も予定しています。8月には助成金を使用して家族で資料収集のためにドイツへ行きました。 子どもは昨年の4月から、週に3回、保育園へ通うようになりました。いまではすっかり保育園の生活にも慣れ、楽しく通っているようです。学会や研究会が土日に入ることが多いため、平日に2日程度は、近所の公園などで一緒に過ごす時間を設けるようにしています。 このプロジェクトのことを子ども家庭支援センターや育児サークルで案内したところ、私の専門に近い研究をしている方と出会い、頻繁に情報交換をしています。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 本プロジェクトのおかげで、研究環境は大幅に改善しました。研究資金を得るために費やさねばならなかったはずの時間をすべて研究に充てることができたことで、子どもと過ごす時間を十分に取れただけでなく、研究成果も当初の計画以上に出すことができました。今後もこのペースを維持し、最終目標である研究職への就職を実現させたいと思っています。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 2009年より、子どもを保育園に通わせました。保育園生活を通じて、自分の身の回りのことはすべて自分でやれるようになり、私も安心して研究に専念することができました。 また、子どもの保育園がお休みで、家族の都合も悪い、というある日、学会のシンポジウムに関する打ち合わせに子ども同伴で行きました。その日以来、ママの仕事がどういうものか、幼いながらも理解するようになってくれたようです。助成をいただいている以上は成果を出さねばならないと頑張ってきたことが少しは子どもに伝わったのかもしれないと、嬉しく思っています。
◆女性研究者の環境改善
 近年、ポスドクに対する研究助成制度は増えてきましたが、博士課程在籍者に対する助成はまだ十分とはいえない状況にあると思います。助成金の中から大学院の授業料を納入することができた本プロジェクトは、私にとって、本当に貴重でありがたいものでした。また、「子育て関係費」を組み込めたのは本プロジェクトならではだと思います。


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