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女性研究者への支援

第2回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

小林奈緒子【島根大学付属図書館】

戦後社会運動史における戦災者組織の実態と歴史的位置 ―全国戦災者同盟と戦災者生活擁護同盟を中心に―

 終戦後、戦災者の生活を守ることを目的として、戦災者組織が結成された。戦災者組織の基礎的研究を進め、近年になりようやく盛んになっている戦後社会運動史研究をさらに発展させたい。出身地の長崎における被爆者運動の研究を卒業論文とし、社会人を経験して、結婚後、島根大学大学院に社会人入学し、修士論文で「長崎の戦災者組織と被爆者運動」をまとめた。現在は、地方における同様の他の事例を掘り起こすとともに、戦災者と生活記録運動とのかかわりをテーマとして研究を続けている。

【受賞の言葉】
 このたびは助成対象者に選んでいただき、ありがとうございます。今回の助成により、 地方でも子育てしつつ、研究を続けられる可能性が開けたように感じています。育児を楽しみつつ、しっかりと研究成果を出せるよう、まい進したいと思います。

受賞後の様子

「周囲の理解が研究を後押ししてくれています」
 現在子どもは2歳5ヵ月になり、コミュニケーションがある程度とれるまでに成長しています。そして6月には第二子が誕生する予定です。新しい家族が生まれるまで、長男とのふれあいを大切にしていきたいと思っています。 今年度は土日を利用した調査を主として行ったため、土曜日は保育園にお世話になり、日曜日はもっぱら夫に協力してもらいました。 受賞記事が地元新聞に掲載されたことで、保育園でもわが家の事情を理解していただき、土曜保育に遠慮なく預けることができるようになりました。また職場では、業務と直接関係のないことであるにもかかわらず、上司や同僚から理解を得て研究を進めることができました。受賞したことで夫がさらに家事・育児に協力的になったことも変化の一つです。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 島根県に住んでいる私にとって、本助成は特に交通費の捻出という面で大変ありがたく、費用を心配することなく調査や学会へ行くことができました。また、第二子の出産・育児のために中断した研究活動を再開できたことや、子育て関係費として託児代が捻出できて助かりました。他の研究助成で託児所など子育ての費目があるのはそうないと思います。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 助成を受けたことで、以前は保育園の土曜保育では両親とも仕事がある場合でないと断られていたのですが、柔軟に対応してもらえたり、夫が育児に積極的に関わってくれるようになりました。こういう周囲の理解が広がったことが、研究を続ける上でとても大きな財産になったと感じています。また、出産による研究中断の際は、2年目の助成金を3年目に繰り越す形で助成期間を延長するなどの対応をしていただき、おかげさまで二人の子育てをしつつ研究を再開することができました。
◆女性研究者の環境改善
 子育てをしながら研究を続けるには、職場や周囲の理解がないと厳しく、育児休暇制度の充実なども進んでほしいです。また、本プロジェクトのような助成は人文社会科学系ではほとんど見当たらない、貴重な助成となっています。今後もぜひ続けていただいて、女性研究者の環境づくりのサポートと、地方在住の女性研究者にも周知が進むようにお願いしたいです。


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