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女性研究者への支援

第3回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

春 花【東北大学大学院 国際文化研究科】

日本語とモンゴル語のことわざの比較 ―ことわざに見られる男性観と女性観の意識とその変容について

 私の研究対象は社会構成の重要な要素である「男」と「女」に関したことわざである。日本語とモンゴル語のことわざにおける男性観と女性観について考察することによって、社会と文化の相違だけでなく、性差別や女性問題といったジェンダーに関わる問題も浮かび上がってくるものだと考えられる。また、特定のことわざは時代の変化により使われなくなくなるものもあり、人々の男性観と女性観の変化と強い繋がりがあると思われる。現地でフィールドワードを行い、このようなことわざの変化とそこに反映される男女の意識の変化を解明したい。

【受賞の言葉】
子育てと研究の両立の難しさの中、研究をあきらめようという考えは何度かありました。しかし、子供たちには夢と目標をあきらめたママの姿を見せたくないという思いで、今は一生懸命頑張ろうと思っています。今回の「女性研究者への支援」を受賞できましたことは私にとって大きな励みになります。本当にありがとうございます。そして、いつも陰で応援してくれている母に感謝しています。また、いつもお世話になっている先生と保育園の先生に感謝しています。これからも子育てをしながらいい成果を出せるように研究に取り組んでいきたいです。

受賞後の様子

 助成金を受けて、2010年の5月にはモンゴルでのアンケート調査を行うことができました。モンゴル語のことわざの使用状況や男女の意識などを調査し、研究上必要な資料も集めることができました。旅費、滞在費、調査費用などに助成金を使えることができ、研究が大きく一歩進めたと思います。
 今年(2010年)から上の子が年中になり、下の子も保育園の生活にだいぶ慣れてきて、子育てもそれなりに楽しくなってきています。主人も研究のことを十分理解してくれ、子育てに積極的に参加しています。経済的な負担が軽減されたことにより研究費用に悩むことがなくなり、落ち着いて子育てと学業を進めるようになったと実感しています。
 母親でありながら、何とか意義のある研究にしたいと頑張る女性研究者が大勢いるなかで、自分が助成対象者として選ばれたことを誇りに思い、これからも子育てを楽しみながら、研究を進めていきたいと思っています。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 助成金があったおかげで、以前から欲しくても買えなかった文献を買うことができ、モンゴルのウランバートル市へのフィールドワークにも何の迷いなく行けました。やはり現地での調査は自分の研究にとってはとても大きかったです。研究はただ計画するだけで実行しなければ何の意味もありません。それから、東日本大震災の時に家で使っていたパソコンなどが破損し、水、電気、ガスがなくて避難せざるをえなかったときも助成金があったからこそ速やかに移動し、研究を継続することができました。大変ありがたかったです。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 経済的に援助していただくことで精神的にも楽になりました。また、保育園の先生方にも研究のことを理解していただき、海外への調査期間には協力してくれました。子供たちはずっと入りたかった体操クラブにも入会することができて、今では週一回の楽しみとなっています。
◆女性研究者の環境改善
 経済的な問題が解決できることにより、精神的に安定し、落ち着いた環境の中でよりよい研究成果が得られると実感しています。特に子育てしながら研究を行う女性にとっては家庭だけでなく、社会からの支援の必要性を実感しました。また、経済的な支援だけでなく、小さい子どもを持つ女性研究者の間で情報・意見交換ができる場所やネットワークがあればいいなと思っています。


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