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女性研究者への支援

第3回女性研究者への支援 過去の受賞者を紹介いたします

梁 熙貞【関西学院大学大学院 言語コミュニケーション文化研究科】

在日コリアンのバイリンガリズム―オールドカマーとニューカマーをめぐって―

 本研究ではニューカマー(在日コリアン)の言語使用実態をアンケート調査により、社会言語学的な側面から解明する。また、オールドカマーの言語生活は韓国語を使うことは少なく、日本語のモノリンガル化が進んでいることが解明しつつある。このようにモノリンガル化が進むことにどのような要因が関与しているのか。さらに、ニューカマーの存在はオールドカマーの言語使用にどのような影響を与えているのかを明らかにしたい。本研究から、近年日本国内で直面している多文化共生社会の言語に関する課題に対する取り組み方が示唆できるのではないかと思う。

【受賞の言葉】
この度は助成金対象者に選んでいただき心より感謝しております。2009 年度は自分の研究者としての素質、家計のことなどで私を悩ませた年でした。悩んでいるところ指導教授から「未来を築く子育てプロジェクト」を紹介してもらいました。このプロジェクトに選んでいただいたことにより、この二つの悩みが解決できました。本当にありがとうございます。また、いつも影で支えてくれる家族と仲間に感謝いたします。これからも子育てと研究の両立を楽しみ、そして社会に貢献できるような研究成果が出せるように頑張りたいと思います。

受賞後の様子

異文化間教育学会第31回大会(於:奈良教育大学)の時、東大寺にて  以前は、時間的な問題と金銭的な問題で、育児も研究も中途半端になっていたところがありましたが、今は育児にも研究にも少し余裕がでてきたと思います。
 子どもは2010年の4月から幼稚園に行くことになりました。園は、通常2時半に終わるのですが、預かり保育を活用できるようになり、最長8時まで預けることができます。そのため、研究のために学校に行ったり、面接調査を行ったり、文献収集のために図書館に行ったりする場合でも、安心して研究に集中できています。
 学会には、以前は交通費や宿泊費、子供の一時保育費などを考えると参加したくてもできない状況でしたが、受賞後は子どもと一緒に参加することができるようになりました。学会の前後に時間を割いて子どもと近くの観光スポットに立ち寄ったりすることもできたので、絆も深まりました。

助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化
 経済的支援により、金銭的な余裕が時間的な余裕にもつながり、心理的な余裕をもって研究に集中することができました。本助成を得る前は育児、研究、仕事のどれもが中度半端でした。しかし、本助成を得てから仕事や育児の負担を減らすことができ、より研究に集中する時間が増えました。以前はこのまま研究を続けるべきかと迷ったことも多々ありましたが、心理的な余裕をもって研究に集中できるようになりました。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
 育児では親子関係がよくなりました。助成を得る前は心理的な負担が大きいため子どもにもその気持ちが伝わっていたのではないかと思います。しかし、現在は子どもが保育園や幼稚園に行っている間に自分の時間ができて、育児、研究、仕事の時間割が適切になり、どちらにとっても心理的な負担を減らすことができて育児に集中することができていると思います。第二子の出産の時には韓国にいましたが、研究費があったため韓国でも子どもを保育園に預けることができました。
◆女性研究者の環境改善
 この助成を受けた1年目に第二子が生まれ、上の子は4歳でした。妊娠が分かったときは研究と育児の両立ができるか心配していたのですが、このプロジェクトを受賞したことで研究と育児の両立に自信を持つことができました。4歳児は幼稚園を利用し、乳幼児は親戚に来てもらって助けてもらいました。このように女性研究者を応援してくれる制度や周囲の人々の協力があれば、女性研究者も頑張って研究に励むことができると思います。


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