● 沖縄の伝統文化を守る「しまくとぅば」の継承
多世代交流型の生涯学習プログラムの企画・運営を行っている私たちが、現在力を注いでいるのは、
2009年ユネスコによって消滅危機言語に指定された琉球諸語「しまくとぅば」の復活と普及です。
独自の活動軌跡ノート(ポートフォリオ)を、エジュテーメント活動に活用し、
常に参加者の実績をプログラムにフィードバックできる工夫をしています。
沖縄には、三線・琉歌・組踊り・エイサーなど、地域伝統の文化がいくつもありますが、
これらはすべて「しまくとぅば」によって行われています。しかし残念なことに、
現在「しまくとぅば」を話せない世代が増加し、その言葉とともに、沖縄の伝統文化までもが廃れてしまうことが危惧されています。
そこで、私たちは、2006年に沖縄県が「しまくとぅばの日」を制定したことを契機に、
沖縄における重要な文化的アイデンティティである「しまくとぅば」を後世に伝承するための活動を開始しました。
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● 「しまくとぅば」の魅力を多くの人たちに知ってもらうために
「しまくとぅば」の普及のための取組みのひとつに、郷土史をベースにした紙芝居の制作・上演があります。
子どもたちが地域の民話や神話発祥地を訪問し、それらを紙芝居にまとめ、
紙芝居型演劇オペレッタとして披露するこの活動プログラムは、老人ホームなどからの上演依頼も多く大盛況です。
また、私たちの活動に共感する団体や企業も、この取組みに理解を示し、活動の認知が広がっています。
さらに、より多くの人たちに「しまくとぅば」の魅力を知ってもらうために、
地元FMラジオ局の協力のもと、沖縄の歴史や文化をテーマにしたラジオ番組の制作・放送も行っています。
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● 言葉を学ぶことで琉球の先人たちの生き方も学ぶ
「しまくとぅば」には、年上の人に対する敬意や感謝の気持ちをあらわす言葉が数多くあり、
そうした言葉を通じて、人との接し方や礼儀を学んできました。言葉とともに沖縄の肝心(チムグクル)を
学び後世に伝えていくことは、ウチナーンチュ(沖縄人)のみならず、沖縄県に在住する方々との志縁にも繋がり、
人としてあるべき生き方を受け継いでいくことでもあると思います。
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