● 塞ぎ込んだ子どもたちを笑顔にしたい
石巻市内で絵画教室や剣道教室を営んでいた私自身も津波によって家屋を流された被災者の一人です。避難所生活を送る中で目にしたのは、途方に暮れる大人たちのそばでじっと耐え忍ぶ子どもたちの姿でした。そんな子どもたちに元の笑顔を取り戻してあげたいと思い、避難所の一角でさまざまなレクリエーション活動を行うようになったのが、「にじいろクレヨン」設立のきっかけです。
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● 継続した支援活動の必要性
子どもたちに楽しみを提供する支援活動は震災直後から多数ありましたが、その多くは単発であり、子どもたちのニーズや変化を把握できないという課題を抱えていました。そこで私たちは継続性や地域の力を重視し、スタッフも地元在住の人間を中心に据え、曜日ごとに決まった仮設住宅・集会所を訪れています。子どもたちの表情には徐々に笑顔が戻りつつありますが、震災によって心に負った傷は容易には癒えません。今後も長期的な視点からの活動を続けていきたいと思っています。
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● 街の復興と生活再建のために
復興公営住宅などが整備されることによって、子どもたちの遊び場は今後もっと必要になってゆきます。子どもが安心・安全に過ごせる居場所が確保されることで、大人たちの心にもゆとりが生まれるものと期待されます。地域に根差した私たちの活動が、街の復興とともにそこに暮らす人たちの生活再建の一助となれば幸いです。
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