● 「ファミリーサポート」と「グリーフケア」を中心に活動
近年、重度の障がいを持った子どもたちが、日常的に医療的なケアを受けながら自宅で過ごすケースが増えています。私たちは、そうしたご家庭に対して看護師などの資格を有したボランティアスタッフを派遣し、子どもたちの見守りや送迎のお手伝いをする活動(ファミリーサポート事業と呼んでいます)を行っています。同時に、お子さまを亡くされたご家族のケアにも取り組んでおり、グリーフケアの啓発を行っています。
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● サポートを必要とするご家族と公的支援との橋渡し
私たちが活動を開始した当初は、障がいを持った子どもやそのご家族を支えるサービスは、県内にはほとんどない状況でした。そのような中で、見守りや送迎といった直接的なサポートを積極的に行ってきた結果、公的支援の充実などが図られるようになったことには一定の手ごたえを感じています。
福祉事業所などの機関とご家族とを丁寧につなぐことで、子どもを安心して地域に託すことのできる環境づくりも進めてきましたが、支援に関する情報が、必要としている方たちの手に届いていないという新たな課題も浮き彫りになっています。そこで現在は、療育ファミリー応援雑誌「Family」を発刊するなど情報発信活動にも力を入れており、この雑誌は県内の医療機関や特別支援学校などに無償で配布しています。
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● 障がいを持った子どもたちが社会に存在する意義を伝えたい
障がいを持った子どもとそのご家族に対するサポート体制が徐々に整いつつある沖縄県中・南部地域に対して、北部地域に関しては公的支援もまだまだ不足している感が否めません。北部地域でも同様のサポートが受けられるように、直接的な支援を行う一方で公的支援の開拓と充実を促していくことが、今後の目標のひとつです。
また、新型出生前診断の登場によって現在、命の選別につながりかねない難しい問題がクローズアップされています。私たちは、ファミリーサポートや、子どもを亡くしたご家族のグリーフケアに取り組む中で、障がいを持った子どもたちが社会に与える影響をつぶさに見て、そして直接肌で感じてきました。この経験を活かして、障がいを持った子どもが社会に存在する意義についても世に問いかけていきたいと考えています。
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