◆研究成果・研究環境の変化
本プロジェクトにより、大きな変化が3つありました。第一に、自分の研究者としての自信および研究に対しての大きな自信が持てたことです。自分の研究に対して、研究者として悩んだことも多々ありましたが、評価されたのだと思えるとともに、母親をしながらの研究者であることも、自信を持つことへの後押しになりました。第二に、経済的に余裕ができたことです。研究室に出向かなくても、分析できる統計ソフトを購入したり、アルバイトを雇ったりすることができました。第三に、幅広いみなさまに研究の内容をシェアできたことです。机上の論理だけに終わらず、色々な方々から意見をいただいたり感想をいただいたりする機会が増えたことは本当にありがたかったです。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
子どもは小学生になりました。自身も勉強することになり、私の仕事も勉強の延長線上なのかな?と思っているようです。助成期間中に学位を取得し、学位授与式には家族で出席しました。私が専攻長賞を受賞した姿を見た子どもは、一つのことを一生懸命やり遂げると賞がもらえると思ったようです。学位論文に取り組む大変さを小さい頃から見ていたので、本当に喜んでくれました。最近では、自ら「研究者になって、困っている人たちを助けたい!」と言うようになりました。
◆女性研究者の環境改善
女性研究者も増え、母親になっても研究を続ける方々も多いです。しかしながら、まだ女性だけが困難を抱えているように思えます。大学側も男女共同参画などを行っていますが、ただの制度導入だけになっている感が否めません。私は「シングルマザー」という立場なのですが、まだまだマイノリティの立場だと痛感することも多くあります。女性として、母親として、個人の状況は違うので、個別な対応が必要かなと思います。大学などに、ロールモデルになる方も多いかと思うので、そういう方達にメンター(助言者)になっていただけると心強いかと思います。企業では、女性活用が企業育成の大きな鍵と叫ばれて久しいですが、アカデミックな場でこそ女性活用を目指していただきたいです。
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