◆研究成果・研究環境の変化
臨床、研究、子育てのトリプルモードの限られた時間の中で博士論文を執筆している最中、次のステップを照らし出し、モチベーションを与えてくれたのがこの助成でした。助成1年目の5月に博士論文の口頭試問を終え、夏には第二子の妊娠がわかり、安静が必要ななか、臨床と研究を進めることができたのはこの助成のおかげです。長期の中断に追い込まれることなく研究活動を継続できたことに感謝しています。また、非常勤講師として大学教育に携わるようになりました。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
第二子の誕生により、それまでひとりっ子だった第一子はお姉さんとしての人生が始まるなど、経済的にも心理的にも、家族のかたちが大きく変化する時期でした。さらに、教育研究職としてのスタートをきるという節目も重なり、個人としても家族としても柔軟なターンテイキングが求められた時期だったと思います。長女は弟の誕生により、甘えたりしながらも「ままへ おしごとがんばってね」と手紙にしたためてくれるなど、思いやりが育まれ、年相応の役割を果たせることに誇りを持つようになっています。
◆女性研究者の環境改善
子育て中の女性研究者は、キャリア、家庭双方のスタート期にいることが多いと思います。このスタートの段階で芽をつまれることがないよう、女性研究者支援のさらなる充実を期待します。そのためには、“研究”では実際どんなことをしているのか、それが社会のなかでどのような役割を果たしているのかについて、子育てを支援してくれる人々や社会に発信していくスキルを女性研究者自身が身につけていくことも、女性研究者が認知され、活躍していくうえでは欠かせない重要課題なのだろうと思います。
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