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女性研究者への支援

第8回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

稲見 直子 関西大学 社会学部 非常勤講師
研究テーマ コレクティブハウジングの持続可能性に関する研究 −支援者の役割に着目して−

高齢社会の今日、高齢者の孤独や孤立の解消の他、東日本大震災後の高齢者の住まいを考える上で、コレクティブ(複数の世帯がともに暮らす共生型集住形態)という暮らし方に注目が集まっている。本研究の目的は、コレクティブに高齢者が暮らす際、支援者が居住者や行政機関と関係を築く上でどのような役割を果たしているのか社会学的に考察し、血縁や婚姻を基盤としない新たな暮らし方を提起することにある。

受賞の言葉
出産直前に夫が体調を崩し、出産後は初めての育児と夫の看護に追われ、研究活動を行っていくことが非常に困難な状況に陥ってしまいました。そんな時、本助成のことを知り、少しでも研究活動継続の後押しになればと思い応募いたしました。助成対象に選んでいただき本当に感謝しています。
 本助成は文系の研究者を対象とするだけでなく、一部を育児関連費として利用させて頂くことができる点においても非常に貴重な存在だと実感しています。今後も研究に邁進し頑張っていきたいと思います。
受賞後の様子
 昨年6月、待機児童だった娘の保育園入園が決まり、日中の育児の負担が少し軽くなりました。とはいえ、娘は始めの半年間、頻繁に熱を出し家での看護が必要だったため、夫からの協力も得ながら、研究と仕事、そして育児をなんとかこなしていくことができました。また、娘は1歳を過ぎた頃から、自分の意思表示や自己主張を行うようになり、気に入らないことがあったり、遊び相手にならなかったりすると泣いて怒るようになり(いわゆるイヤイヤ期でしょうか)、育児をめぐって新たな悩みが生まれつつあります。
 研究活動においては、本助成金のおかげで、これまで購入できなかった書籍や資料をようやく手に入れることができたほか、フィールドワークを実施するうえでハードルとなる交通費や宿泊費等の経済的な負担を解消することができました。これにより、資料収集や調査が順調に遂行できており、快適な研究環境を整備することができています。この機会をいかして今後も研究活動に励んでいきたいと思っております。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 本助成2年目に、所属先を変更したことにより、研究に専念する時間を十分に確保することができました。フィールドワークでは、対象者との人間関係(信頼関係)の構築が必要不可欠ですが、頻繁にお会いする機会を持てたことで、NPOの方々やコレクティブ居住者の方々とも非常に友好的な関係を築くことができ、長期間の調査を円滑に行えたと実感しています。また、自分の研究を評価してもらえたことで研究者としての自信に大いにつながりました。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 娘がイヤイヤ期のピークに達し、着替えやトイレトレーニング、保育園の送迎など、ひとつのことを終えるまでに非常に時間がかかり、そのため、自分の予定や研究も思うように進まず、イライラしてしまうことも多々ありました。一方で、私が泊まりがけで調査に行くときには、娘も次第に状況を理解し、「お仕事がんばってね!」
「ママ、お帰りなさい!」などと笑顔で声をかけてくれるようになりました。本助成の研究が進展すると同時に、娘の成長を感じることができる2年間でした。

◆女性研究者の環境改善

 研究方法がフィールドワークという形態を採っている女性研究者の場合、どうしても定期的に一定期間、家を空けなければいけない状況が生じてしまいます。不在時の育児サポートを保育園に加えて何らかのかたちで確保できないと、研究活動を継続していくことは非常に難しいのではないかと、本研究活動を通じて痛感しました。女性研究者の研究環境の改善には、やはり女性(母親)一人で育児を担わなければならない社会を変えていくことが重要で、そのための男性(父親)の労働環境の改善は欠かせないと思います。とはいえ、こうした社会を即座に実現することは難しいため、本助成金のように育児関連費も認めていただけることは、研究活動の継続に非常に有効であると考えます。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


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