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女性研究者への支援

第8回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

加野 泉 日本福祉大学 非常勤講師
研究テーマ アメリカ「ヘッドスタート」プログラムにおける家族支援 −再構築されるジェンダー役割−

アメリカ政府による貧困層の未就学児を対象とした補償教育「ヘッドスタート」について、特に両親に対する教育プログラムに焦点を当て、親がいかなる能力を備え、子どもとどのような関係を築くべきと定められているのかを検討する。この教育の中で形成される父親・母親の役割を見出し、貧困層の家族支援のあり方を考察するとともに、米国の限定的な家族政策を背景に、家族がいかに機能することを求められているのかを読み解く。

受賞の言葉
7年前、第二子出産とほぼ同時に大学院に入学しました。遅々とした私の歩みを見守り指導してくださった先生方と、家族の協力のおかげで研究を続けてこられたと深く感謝いたします。限られた時間の中でしか研究に向き合えないことがもどかしく、何度も諦めそうになりましたが、助成対象に選んでいただき、研究の継続へとぐっと背中を押していただいた思いです。未来の子育てに寄与できる研究者を目指して、一層の努力をする所存です。
受賞後の様子
 助成が決定した後、研究時間の確保を優先して、2歳の次女の保育園を自宅近くに転園しました。通園時間がこれまでの半分以下になったことで、私自身の時間と体力の負担が軽減された上に、夫が出勤前に保育園に次女を送る頻度が増えました。週に1、2回のことですが、夫が保育園に行くことで、子どもの日常生活や日々の持ち物などにも目を配るようになり、子どもの日常生活に夫の存在感が増したようです。私自身も、以前感じていたように、たった一人で三人の子育てを引き受けているという負担感が軽減され、気持ちの余裕を持って子どもと接することができるようになりました。
 受賞により、以前よりも家族の協力を求めやすい環境ができたため、アメリカでの現地調査を実現することができました。今後も真摯に研究に取り組んでいきたいと思っています。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 この2年間は、「スミセイ女性研究者奨励賞」の名に恥じぬ研究生活を送ろうという強い意志を持つことができました。それがモチベーションとなり、1年目にはアメリカでのフィールドワークを実現し、その成果をもとに、2年目には博士候補生の審査を受け、所属を名古屋大学に戻すことができました。研究しやすい環境が整い、博士学位申請論文を名古屋大学に提出することができました。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 今回の助成をいただいたことで、夫や子どもの意識が「ママの研究は趣味ではなく仕事」と変わっただけでなく、そうした家族の理解のもとで少しずつでも継続して成果を出すことで、多くの先生方に研究を応援していただけるようになりました。1年目のアメリカでの調査を実行するまでは、子どもたちを家において海外調査に出ることに大きな抵抗感がありました。しかし、子どもたちは意外にも好意的で、自分の知らない世界の話を母親が持ち帰ってくることを心から楽しんでおり、長男が「ママ、今年はどこへ調査に行くの?」と目を輝かせて聞いてくれました。

◆女性研究者の環境改善

 小学生2人を育てている経験から、小学校低学年の子どもが新しい環境に適応するまでのフォローやPTA活動等、親の役割と研究との両立の難しさを実感しています。現在の学童保育は質や費用、設置数にばらつきがあり、利用できない人も多くいます。私の場合は、学区内に保護者運営の学童保育がありましたが、子どもが学校に適応するのに時間がかかったため、下校後に学童保育を利用する選択ができませんでした。今後小学校低学年対象の子育て支援が拡充され選択の幅が広がると、子育てと研究を両立できる女性を増やすことができるのではないかと考えています。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


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