◆研究成果・研究環境の変化
この2年間は、「スミセイ女性研究者奨励賞」の名に恥じぬ研究生活を送ろうという強い意志を持つことができました。それがモチベーションとなり、1年目にはアメリカでのフィールドワークを実現し、その成果をもとに、2年目には博士候補生の審査を受け、所属を名古屋大学に戻すことができました。研究しやすい環境が整い、博士学位申請論文を名古屋大学に提出することができました。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
今回の助成をいただいたことで、夫や子どもの意識が「ママの研究は趣味ではなく仕事」と変わっただけでなく、そうした家族の理解のもとで少しずつでも継続して成果を出すことで、多くの先生方に研究を応援していただけるようになりました。1年目のアメリカでの調査を実行するまでは、子どもたちを家において海外調査に出ることに大きな抵抗感がありました。しかし、子どもたちは意外にも好意的で、自分の知らない世界の話を母親が持ち帰ってくることを心から楽しんでおり、長男が「ママ、今年はどこへ調査に行くの?」と目を輝かせて聞いてくれました。
◆女性研究者の環境改善
小学生2人を育てている経験から、小学校低学年の子どもが新しい環境に適応するまでのフォローやPTA活動等、親の役割と研究との両立の難しさを実感しています。現在の学童保育は質や費用、設置数にばらつきがあり、利用できない人も多くいます。私の場合は、学区内に保護者運営の学童保育がありましたが、子どもが学校に適応するのに時間がかかったため、下校後に学童保育を利用する選択ができませんでした。今後小学校低学年対象の子育て支援が拡充され選択の幅が広がると、子育てと研究を両立できる女性を増やすことができるのではないかと考えています。
|