◆研究成果・研究環境の変化
二人の子どもたちを安心して預けられ、日中にまとまった研究時間を確保できたことは、本助成のおかげです。また、大変ありがたい研究環境の変化として、資料収集や論文の執筆に集中できる時間が持てるようになりました。助成2年目には、当面の大きな目標だった博士論文の提出と学位取得を果たし、研究が進展したおかげで日本学術振興会の特別研究員にも採用され、物心両面で研究環境が大きく向上しました。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
本助成をいただく前は長男を週1〜2日、一時保育に預けて研究を行っていましたが、毎回先生やお友だちが変わることが落ち着かないようで、お迎えのときに泣いていることが多くありました。本助成を受けて、自宅近くの保育施設に入園してからは毎日楽しそうに通うようになり、いきいきとした姿を見せてくれるようになりました。助成期間中には次男も誕生し、まだまだ兄弟二人だけではおもちゃの取り合いなどけんかになることは多いものの、一緒に遊んだり互いを気遣ったりする姿が見られ、そうした姿に支えられて私も研究を続けることができました。
◆女性研究者の環境改善
社会人を経験した後に博士課程に進学し、博士課程の大学院生の社会的立場の不安定さを実感しました。それは保育園の入園申請において、多くの自治体で大学院生を含む学生の入園優先度がフルタイム勤務者よりも低く設定されていることにも表れているのではないでしょうか。大学で保育施設の整備・拡充が進むことはもちろん、それ以上に博士課程の大学院生が研究に携わる職業人として社会のなかで認知されていくことが、女性に限らず研究者を育てていくという観点からも必要なのではないかと思いました。
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