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女性研究者への支援

第8回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

中山 良子 大阪大学大学院 文学研究科
研究テーマ 若者の「純潔」とメディアの戦後史

1960年代前半の日本では、若者の純潔やセクシュアリティに言及する作品が、映画や音楽、また雑誌記事などの形でメディアに登場し、多くの人に消費されていた。本研究は、このようなテーマの登場を若者に対する社会的処遇の変化の反映であると考え、当時の少年非行・教育・メディア規制の動向に着目し、これらを手がかりに、若者と純潔を含めたセクシュアリティの表象の変遷を解明することを試みる。

受賞の言葉
私は他の人より遅く大学院に入り、入学した年に第一子を出産し、育児と研究との両立に取り組んできました。しかし、やっと成果が出始めた頃には、若手研究助成申請の制限年齢を越えており、研究費の確保はまさに頭痛の種でした。育児中の女性研究者を支える本助成の存在は、私にとって希望の光でした。このたび受賞させていただいたことを心から感謝し、未来に資する成果に繋げるべく研究に邁進いたします。ありがとうございました。
受賞後の様子
 こつこつと、助成金で集めることのできた史料を読み続け、2015年12月、博士学位申請論文を提出することが出来ました。
 提出までに、2015年5月には関西社会学会において、「非行対策の強化における「若者」のセクシュアリティとマスメディア」を発表しました。また、8月には、Australia Japan Graduate Conference 2015(オーストラリア大学)において、「Postwar Japan's juvenile delinquency Policy and "Taiyouzoku"」を発表しました。こちらは、最終的には所属大学からの旅費の支援を受けることができましたが、本プロジェクトの助成がなければ、旅費の捻出は不可能だと考え、エントリーすらできていなかったと思います。
 私が安心して研究を進めていることは、間違いなく、子どもたちや夫の気持ちの安定にもつながっています。両親の研究への理解も進み、研究発表のための渡豪に際しては、実家に長期間、子どもを預かってもらうことができました。受賞という出来事は、私の研究環境を劇的に変えました!大変感謝しております!
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 自信を持つこと、多くの資料に目を通せる環境を整えること。研究を続けるうえで、大切なこの2点を本助成のおかげで得ることができました。歴史の研究者は多くの資料をかなりの精度で読み込むことが必要で、時間と体力とそして何より資金が必要になります。貴重で、価値の高い資料は、簡単には手に入らず、古書や国会図書館を歩き回り、探して探してやっと手に入れることができます。幸いにして、私は子どもを保育園に入園させることができ、時間も資金も確保できました。保育を継続させていくうえで、助成金をいただいている研究者だと自信をもって口にできることは、非常に心強かったです。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 下の子は5歳になり、上の子はまもなく10歳となります。気管支の弱かった上の子ですが、喘息発作もほとんど出なくなり、その変化に安堵しています。下の子はまだまだですが、上の子は少しずつ母親の仕事に興味が出てきたようで、書棚をのぞいては時折、資料の本を引っ張り出して読んでいることがあります。書棚には、扱っても良い本、古い資料で気をつけなければならない本などを雑多に挿しており、特に古いものは気をつけて読むように伝えていますが、扱い方に慌てて口を挟む場面もあります。こうしたこともまた、成長の一環だと感じています。

◆女性研究者の環境改善

 周囲の友だちが次々と日本学術振興会の特別研究員となるなか、自身の年齢や育児中ゆえの研究時間の少なさもあり、申請書はまったく通らず、まるで足踏みをその場で続けているようでした。その状態から救ってもらえたのがこの賞の受賞です。受賞によって手に入れた、少しの自信と助成金をバネに、博士論文を書き上げることができました。この賞をいただけなかったら博士論文を書き上げることもできなかったかもしれません。心から感謝します。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


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