◆研究成果・研究環境の変化
大学院博士後期課程の在籍期間中、本助成によって研究環境の整備が図られたことで安定した研究活動が実施できました。具体的には、必要な物品の購入、資料の収集、授業料の負担軽減が挙げられます。また、精神的にも「私の研究は社会に役立つことを期待されている」というモチベーションを持つこともできました。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
あるテレビアニメに、女性研究者が登場します。私は当時4歳の息子に「ママはこの女性博士みたいになりたいんだよ」と説明していました。研究内容は理解していなくとも、自宅で資料を広げ論文を書く私の姿をみて、息子はなんとなく理解していたように思います。大学院の修了式で、息子が「おめでとう」と言ってくれたことはとてもうれしい思い出です。
◆女性研究者の環境改善
「○○(育児など)をしながら研究」が当たり前となる環境が整備されればよいと思います。そのためには、「○○(育児など)をしながら研究」というスタイルでの研究成果を増やしていく必要があります。このスタイルでの研究者が増え、研究成果が蓄積し、広く学術界、職場、社会に認知されていくことで周囲の意識変化につながるのではないかと思います。意識の変化は、研究スタイルの幅を広げ、女性にとっても、また他の様々な事情を抱えながら研究する人々にとっても選択肢が広がることになります。選択肢が増えることは、研究を中断するリスクやその損失を回避し、長期的には社会全体の生産性向上にもつながっていくのではないでしょうか。
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