◆研究成果・研究環境の変化
本助成は、北アイルランドでの博士課程を終えたばかりの私が、日本へ研究拠点を移し、再スタートをきるうえでとても有効なものでした。4人の子どもたちに恵まれながらも、育児と両立して非常勤講師の仕事と研究活動をどう行っていくのか、いつも不安がありました。本助成で経済的に救われただけでなく、精神的にも良いプレッシャーとなり、育児と仕事の傍ら、文献や備品をそろえ学会に入会し、研究を続けることができました。この研究によって、いろいろな個人や団体とも関わることができ、今後の方向性も少しずつ見えてきました。
◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード
本助成のおかげで、未就学児の2人の子どもたちを安心して保育園に送り届けた後、自分の研究に没頭できる時間が持てました。この2年の間に4人の子どもたちはそれぞれ成長し、一番下の次男も、自分のことが自分でできるようになり、以前に比べて子育ての内容が変わってきたとともに、小学校中学年と高学年になる長男・長女とは、研究についての話もできるようにもなりました。
◆女性研究者の環境改善
将来的に常勤の大学教員を志していますが、4人の育児もあり、常勤の先生のような多忙なスケジュールには不安を感じます。一方、非常勤講師の待遇は、科学研究費助成の申請資格がなかったり、研究費もなかったりと、かなり不安定だとも感じます。常勤で働く大学教員と、非常勤講師との間にある業務量、研究費、諸待遇をめぐる格差を縮めることができたらと思います。大学だけでなく他の職業にも当てはまりますが、ヨーロッパなどには、それぞれのライフステージにおいて、週3回勤務など、働き方を選べるシステムがあります。このようなシステムが日本でも導入され、格差を縮める方策となればと思っています。
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