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女性研究者への支援

第8回

スミセイ女性研究者奨励賞 受賞者

前原 直子沖縄国際大学および沖縄キリスト教学院大学 非常勤講師
研究テーマ 沖縄本島一地域における高齢期の「老い」への適応・不適応に関する人類学的考察−多文化共生の視点

高齢者や認知症ケアの研究分野においては、「当事者側から理解する」試みが期待され、注目を集めている。しかし、高齢期の認知プロセスが、個人的・社会的・文化的な要因によってどう影響を受けるのかといった研究は十分に進んでいるとは言えない。本研究では、「多文化共生のまちづくり」を進めている沖縄本島一地域において、多様な文化的背景を持つ高齢期の人びとがどのような「老い」を経験しているのか、民族誌的研究によって考察する。

受賞の言葉
これまで出産や育児のため何度も中断しながら、家族や周りの人の理解とサポートを得て、研究を続けてきました。北アイルランドの大学院で博士号を取得したとはいえ、業績がまだ少なく、4人の子どもの育児と養育費を思い、このまま研究者の道を目指していくことに不安を覚えていました。このたびは、母・研究者として背中を押していただき、大変ありがたく光栄に思います。より良い共生社会の実現に向けた研究に励んでいきたいと思います。
受賞後の様子
 私の場合、研究を進めていく上で、多くの方々(調査対象者や協力者、関係機関や団体)と関わることが必須となるので、今回の受賞は、研究についてより信用・理解してもらえるという点で、非常に意義深いと感じています。北アイルランドから日本に戻って以来、沖縄でどう研究を広げていけるのか、研究者としての立ち位置を確立していけるのか不安がありました。しかし、調査が始まると、少しずつ方向性が見え、ネットワークができ、将来展望が描けるようになってきました。
 また、研究との関わりから、沖縄県とNPO団体の行う多文化共生推進事業に英語コーディネーターとして参加することができました。非常勤講師の仕事、英語コーディネーターの仕事、研究、そして育児と多忙な毎日ですが、充実した日々を過ごしています。
助成期間を終えて

◆研究成果・研究環境の変化

 本助成は、北アイルランドでの博士課程を終えたばかりの私が、日本へ研究拠点を移し、再スタートをきるうえでとても有効なものでした。4人の子どもたちに恵まれながらも、育児と両立して非常勤講師の仕事と研究活動をどう行っていくのか、いつも不安がありました。本助成で経済的に救われただけでなく、精神的にも良いプレッシャーとなり、育児と仕事の傍ら、文献や備品をそろえ学会に入会し、研究を続けることができました。この研究によって、いろいろな個人や団体とも関わることができ、今後の方向性も少しずつ見えてきました。

◆育児環境の変化、気づき、感想、印象的なエピソード

 本助成のおかげで、未就学児の2人の子どもたちを安心して保育園に送り届けた後、自分の研究に没頭できる時間が持てました。この2年の間に4人の子どもたちはそれぞれ成長し、一番下の次男も、自分のことが自分でできるようになり、以前に比べて子育ての内容が変わってきたとともに、小学校中学年と高学年になる長男・長女とは、研究についての話もできるようにもなりました。

◆女性研究者の環境改善

 将来的に常勤の大学教員を志していますが、4人の育児もあり、常勤の先生のような多忙なスケジュールには不安を感じます。一方、非常勤講師の待遇は、科学研究費助成の申請資格がなかったり、研究費もなかったりと、かなり不安定だとも感じます。常勤で働く大学教員と、非常勤講師との間にある業務量、研究費、諸待遇をめぐる格差を縮めることができたらと思います。大学だけでなく他の職業にも当てはまりますが、ヨーロッパなどには、それぞれのライフステージにおいて、週3回勤務など、働き方を選べるシステムがあります。このようなシステムが日本でも導入され、格差を縮める方策となればと思っています。

主催:住友生命保険相互会社 お問合せ先:「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局 TEL:03(3265)2283(平日10:00〜17:30)


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