トップメッセージ

サステナビリティ経営を加速させ、ウェルビーイングの価値を多くのステークホルダーにお届けします 取締役 代表執行役社長 高田幸徳

住友生命の事業精神と果たすべき使命

住友生命は、「社会公共の福祉に貢献する」ことをパーパス(存在意義)として掲げています。このパーパスには、自身を利するとともに社会を利するべきとする「自利利他公私一如(じりりたこうしいちにょ)」をはじめとした住友の事業精神が、脈々と受け継がれています。創業以来、生命保険事業を通じて多くのお客さまの人生を支え、社会に安心を提供してきましたが、社会環境が大きく変化する中、より幅広い領域で社会課題や環境課題の解決に取り組んでいくことが、当社の使命であると考えています。
住友生命は「サステナビリティ経営方針」において、「健康長寿社会の実現に貢献する」こと、「持続可能な社会の実現に貢献する」ことを果たすべき普遍的なミッション(使命)として掲げています。これらの使命を踏まえ、「住友生命グループVision2030」では、2030年のありたい姿を「ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない保険会社グループ』」と定めました。ウェルビーイングを「一人ひとりのよりよく生きる」と定義し、健康増進や疾病の予防、生活の質の向上など、従来の保険の枠を超えた幅広い分野で、ポジティブな価値をお届けする取組みを進めています。お客さま一人ひとりにウェルビーイングを実感いただくためには、土台となる社会や地球環境がサステナブルであることが不可欠です。ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない保険会社グループ』」の実現を目指し、「サステナビリティ」と「ウェルビーイング」それぞれをより強固にする取組みを、引き続き推進していきます。

当社の事業を通じた社会・環境課題解決に向けた取組み

健康増進を軸とした健康寿命の延伸へ向けた取組み

日本は世界でも有数の長寿社会ですが、平均寿命と健康寿命との隔たりは小さくなく、その差を縮めていくことが社会的な課題となっています。健康寿命の延伸は、お客さまと長きにわたってお付き合いをしていく生命保険事業とも、親和性が高い分野です。当社は2018年に健康増進型保険“住友生命「Vitality」”を発売し、従来の保険の「リスクに備える」価値の提供にとどまらず、健康増進で「リスクを減らす」という新たな価値を提供することが可能になりました。個人のお客さまだけでなく、自治体と連携した「Vitalityウォーク」の取組みや企業の従業員さまへの「Vitality福利厚生タイプ」の提供を通じて、地域社会や企業とも理念を共有し、より多くのお客さまへ健康増進の価値を広げることで、「健康寿命の延伸」という社会課題の解決に取り組んでいます。
今後は、お客さまにウェルビーイングの向上をさらに実感いただくべく、お客さま一人ひとりの健康寿命の計測や、ウェルビーイング度の可視化にも取り組んでいきたいと考えています。

カーボンニュートラル社会の実現へ向けた取組み

将来的に地球規模で大きな影響を及ぼす可能性がある気候変動への対策は、当社においても喫緊の課題です。2050年までに住友生命グループ全体で温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロ、2030年までに排出量50%削減(2019年度対比)を目標として掲げ、2030年度までに使用電力の100%再生可能エネルギー化を目指すなど、事業活動におけるGHG排出量削減の取組みを進めています。
また、当社は機関投資家でもありますので、資産運用を通じて社会・環境問題に対応する責任があります。中長期的に安定した運用収益の確保と持続可能な社会の実現を目的として、サステナビリティを考慮した資産運用(責任投資)を推進しています。具体的には、社会課題の解決に貢献するファイナンスとしてESGテーマ型投融資を推進し、目標金額を設定して取組みを加速させています。特に、気候変動領域においては、脱炭素社会に向けたファイナンスを積極的に推進するとともに、企業との対話を通じ、投融資先のGHG排出量削減を後押ししています。
今後も、「生命保険事業」と「機関投資家」の両面から取組みを進めることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。

取組みを支える「人財」の力

これらの取組みを推進するうえでは、「人の力」が最も重要になります。当社では、資本である「職員(人)」を「財(たから)」と位置づけ、経営戦略と連動した人的資本経営=「人財共育」に取り組んでいます。特に、多様な人財の採用・育成に加えて、自律的なキャリア形成支援や働きやすい職場環境づくりなどを通じて、生産性の向上・職員のウェルビーイングを高める取組みを進めています。「人財」の価値を高め、職員自身のウェルビーイングを実現することで、すべてのステークホルダーに対し、サステナブルに価値を提供し、ウェルビーイングに貢献していく姿を目指しています。

サステナブルな「未来」へ

2025年に「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに実施された大阪・関西万博では、住友グループから「住友館」のパビリオンを出展いたしました。私自身、何度も訪れた中で強く感じたのは、私たち現役世代は未来に向けて美しい環境を残していく責任があり、そのためにも、未来社会のウェルビーイングに貢献していかなければならないということです。お客さまの長い人生を支える生命保険会社として、今日の安心だけでなく、若い世代やその先の未来がより確かなものとなるよう、今後もウェルビーイングの価値提供へのチャレンジを続け、持続可能な社会の実現へ貢献していくことで、未来への責任を果たしてまいります。