医療保険とは?医療保険を選ぶときのポイントを解説!
「医療保険ってテレビCMでよく聞くけど、実はよく分からない…」「医療保険って生命保険の話?国の制度とは違うの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
医療保険とは予期せぬケガをしたり、病気になったりしたときに、加入者の医療費負担を軽減するための制度のことです。医療保険は、大きく分けて「公的医療保険」と「民間の医療保険」の2種類があります。
このページでは、医療保険の基礎知識から、商品選びのポイントまでわかりやすく解説します!
1.公的医療保険とは?公的医療保険の種類について
公的医療保険制度は、国や地方自治体が運営する医療保険の仕組みです。日本では、「国民皆保険制度」が採用されているため、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入することになっています。これにより、ケガや病気で治療が必要になった場合でも医療費の負担が軽減され、国民全員が必要な医療サービスを受けることができます。(ただし、一部の医療サービスには自己負担が必要な場合もあります。)
公的医療保険制度の種類
公的医療保険制度には、いくつかの種類があり、それぞれ運営主体や加入対象者(被保険者)が異なります。主な制度は以下のとおりです。
保険の種類 | 運営元 | 主な被保険者 |
---|---|---|
健康保険 | 全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ) | 中小企業の従業員とその扶養家族など |
組合管掌健康保険 | 大企業など民間企業の従業員とその扶養家族など | |
国民健康保険 | ・各都道府県 ・各市町村 |
75歳未満で被用者保険に加入していない人 |
共済組合 | 各共済組合 | 公務員や私立学校の職員など |
後期高齢者医療制度 | 後期高齢者医療広域連合 | ・75歳以上の人 ・65歳以上75歳未満で一定の障害がある人 |
医療費の負担割合
医療費の自己負担割合は年齢等によって決まります。
年齢 | 保険診療の窓口負担割合 |
---|---|
0歳~6歳(義務教育就学前) | 2割 |
6歳~69歳(義務教育就学後) | 3割 |
70歳~74歳 | 2割 * |
75歳以上 | 1割 * |
高額療養費制度
1か月間(同一月内)に、一定限度額以上の自己負担が発生した場合、公的医療保険制度から高額療養費の給付があります。自己負担限度額は、年齢および所得状況等により設定されています。高額療養費制度により、実質の自己負担額は少なくなります。
【高額療養費制度による自己負担限度額(70歳未満の1か月あたり)】標準報酬月額 | 自己負担限度額 | |
---|---|---|
83万円以上 | 3月目まで | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
4月目以降 | 140,100円 | |
53~79万円 | 3月目まで | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
4月目以降 | 93,000円 | |
28~50万円 | 3月目まで | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
4月目以降 | 44,400円 | |
26万円以下 | 3月目まで | 57,600円 |
4月目以降 | 44,400円 | |
住民税非課税の方 | 3月目まで | 35,400円 |
4月目以降 | 24,600円 |
※あらかじめ健保組合等からの認定証の交付を受けていれば、病院窓口での支払いは自己負担限度額までになります。
2.民間の医療保険とは?
民間の医療保険とは、生命保険会社などが販売している保険商品のことです。公的医療保険と違い加入は任意です。民間の医療保険には、公的医療保険では保障されない費用をカバーするという役割があります。
たとえば病気で入院した際は、診察、治療、手術、入院、薬剤費などの医療費がかかります。「高額療養費制度」により、毎月の限度額はあるものの自己負担分があるのも事実です。また、入院した際は医療費以外に、公的医療保険適用外となる食事代や差額ベッド代などの多くの費用がかかります。民間の医療保険は、そうした医療費の自己負担や医療費以外の費用に備えるためにあります。
一方、民間の医療保険は公的医療保険と違い、全員が加入できるわけではなく、健康状態によっては加入することができなかったり、加入できる場合も保険料の割増や保険金の削減など条件が付くことがあります。また通常、加入者の年齢とともに保険料が高くなっていく点も注意が必要です。
3.民間の医療保険って必要?
予期せぬケガや病気のときのために備えておくことは重要です。
万が一病気で入院した場合、入院中の諸費用は入院が長引くほど大きくなりますし、先進医療など保険診療で認められていない治療を選択しようと思うと高額な治療費がかかります。医療保険に加入していない場合、そうした費用について自身の貯蓄から支出することになりますが、十分な貯蓄がない場合には希望する治療方法や療養環境などを諦めることになるかもしれません。
民間の医療保険に加入しておけば、ケガや病気で治療が必要になった場合に、公的医療保険では保障されない医療費や医療費以外の自己負担等に備えることができます。
さらに民間の医療保険のうち、入院・通院等に伴い給付金をお支払いする部分に関する保険料は、生命保険料控除の中の「介護医療保険料控除」の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。税額の軽減という面も、貯蓄ではなく民間の医療保険で備える魅力と言えるでしょう。
※介護医療保険料控除は、契約日が2012 年1 ⽉1 ⽇以降となる保険契約に限ります。
公的医療保険の適用対象外になる費用とは?
公的医療保険の適用対象外になる費用には、次のようなものがあります。
【入院中の費用】
【公的医療保険適用外の治療費】
公的医療保険の適用対象外になる治療費や入院にかかる費用は、全額自己負担となる上に、高額療養費制度のように負担限度額もありません。特に差額ベッド代や先進医療による治療費は負担が大きくなる可能性があります。
1日あたりの入院費用や差額ベッド代についての詳しい解説は以下のページをご覧ください。
4.医療保険を選ぶときのポイント
「医療保険に入りたいけど、どの商品を選べばいいか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。医療保険のよくあるかたちと、選ぶときのポイントについて確認しましょう。
保険期間と保険料
保障が受けられる期間を保険期間と言います。保険期間のタイプは主に「更新型」「全期型」「終身型」の3種類があります。
更新型 | 全期型 | 終身型 | |
---|---|---|---|
保険期間 | ・保険会社の定める年齢まで更新できる |
・契約当初に定めた期間 | ・一生涯 |
保険料 | ・契約当初の保険料が比較的安い ・通常は更新にあわせて保険料が上がる |
・払込満了まで一定 | ・保険料は一定(払込期間は「有期」または「終身」がある) |
こんな方におススメ! | ・今はできる限り保険料を安く抑えたい方 ・今後定期的に、最新の保障に⾒直したい方 |
・⼀⽣涯ではなく、⼀定期間の保障が確保できればよい方 ・保険料は変わず一定がよい方 |
・多少⾼くても保険料が変わらず、保障は⼀⽣涯がよい方 |
入院保障
入院保障は医療保険の中心的な保障です。
入院給付金のタイプとして、入院日額×入院日数分を受け取れるものがあります。差額ベッド代や食事代など入院1日あたりにかかる費用について、実際の入院日数に応じた給付を受けられるため、短期入院はもちろん入院が長引いた際にも安心です。
また、一定の入院日数ごとにまとまった一時金を受け取れるタイプもあります。なお、一時金タイプを日額タイプと組み合わせることで、入院1日あたりの費用から入院前の検査費や交通費、日用品費等の入院諸費用まで手厚く備えることができる商品もあります。
何日入院したらいくら受け取れるか、自分が備えたい病気の平均入院日数ではいくら受け取れるか、しっかりと保障内容を確認してから加入することが重要です。
支払限度日数、通算支払限度日数
医療保険は、例えば入院保障では1入院ごとの支払限度日数(回数)や保険期間中の通算支払限度日数(回数)が設けられています。
日額タイプでは、1入院の支払限度日数に60日や180日、360日などがあり、通算支払限度日数は1,000日や1,095日などがあります。なお、がんで入院した場合は、1入院の支払限度日数や通算支払限度日数ともに無制限になるものもあります。
また一時金タイプは、1入院の支払限度回数が1回や30日ごとの支払いで最大4回支払われるものなどがあり、保険期間の通算支払限度回数は50回や100回、条件を満たす限り限度無制限のものもあります。
同じ保障内容でも、商品によって支払限度日数や通算支払限度日数が異なることに注意しましょう。
特約による上乗せ保障や保障範囲の拡大
医療保険は上記のような保障の基礎となる入院保障のほかに、女性疾病入院特約、成人病入院特約、がん入院特約といった特定疾病時の入院保障を上乗せする特約やがん診断・治療時に給付金を受け取れるがん特約、先進医療特約等々、保険会社ごとに様々な商品があります。
各商品や特約を組み合わせて、自分のニーズに合った保障内容や保険期間の医療保険に加入しましょう。
みんな、医療保険は準備しているの?
実際に医療保険を検討するにあたっては、「みんな保険に加入しているか」「どれくらい準備しているのか」という点も気になりますよね。
医療保険または医療保障特約を付加した生命保険への加入率は93.6%となっています。
男女別にみると、男性は94.0%、女性は89.5%となっています。(民間保険加入世帯ベース)(出典①)
ちなみに、医療保険の基本的な保障である入院保障について、各年代の入院日額の備えは以下のとおりです。(出典②)
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20代 | 8,956円 | 7,815円 |
30代 | 11,049円 | 8,999円 |
40代 | 10,907円 | 9,019円 |
50代 | 11,726円 | 9,473円 |
60代 | 10,570円 | 9,263円 |
男性の平均は10,875円、女性の平均は9,089円となり、男性と比べると女性は準備している入院日額が低めです。
「入院費用は1日あたりどれくらい必要?」のとおり、入院1日あたりの自己負担額平均は14,578円となりますので、入院に対する備えを十分に準備する必要がありますね。
※自己負担額平均の試算の前提条件等はリンク先ページでご確認ください。
5.まとめ
医療保険には、公的医療保険と民間医療保険の2つがあります。
予期せぬケガをしたり、病気になったりしたとき、まずは公的医療保険により、医療費負担を軽減することができます。また、公的医療保険ではカバーしきれない治療費や差額ベッド代等の治療費以外の費用については、民間の医療保険で備えることができます。
本ページでは、「医療保険とは」というお話から、医療保険の必要性と商品を選ぶ際のポイントについて解説しました。これらのポイントを踏まえ、ご自身やご家族のニーズに合った医療保険を選びましょう!
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- 出典① 公益財団法人生命保険文化センター 令和3年「生命保険に関する全国実態調査」に基づき当社にて作成
- 出典② 公益財団法人生命保険文化センター 令和元年「生活保障に関する調査」に基づき当社にて作成
- 記載の内容は、2024年1月現在の制度によります。今後、制度の変更に伴い、記載の内容が変わることがあります。
- 当社生命保険商品のご検討にあたっては、「設計書(契約概要)」「注意喚起情報」「ご契約のしおり-定款・約款」「申込内容控(兼解約返戻金額表)」を必ずご覧ください。
(登)営情HP-23-0028