廣瀬俊朗氏×
高田幸徳 特別対談

公開日:2021年9月10日

特別対談 廣瀬俊朗氏×(代表取締役社長)高田幸徳特別対談 廣瀬俊朗氏×(代表取締役社長)高田幸徳

高田幸徳社長が廣瀬俊朗さんを
お迎えした特別対談。
高校の先輩後輩でもあるお二人が、
SDGs、ウェルビーイング、
そしてリーダー論と
幅広いテーマで意見を交わしました。

スミセイ “Vitality Action”

高田 廣瀬さんは大阪府立北野高校の同窓です。いつもご活躍を拝見していたので、今回の対談を楽しみにしていました。
廣瀬 先ほど雑談した時も、高田社長はやはり大阪出身だなと感じて緊張もほぐれました。
高田 さて、スミセイ “Vitality Action”(注1、以下「SVA」)が、2021年3月に目標の110回を達成しました。記念すべき110回目の講師が廣瀬さんです。SVAは大切な人と体を動かすことで、より健康に、そして幸せになっていただきたいというコンセプトで続けてきました。廣瀬さんの教室は、子どもにはなじみが薄いラグビーを分かりやすい形で採り入れた素晴らしい内容でした。

廣瀬 室内で親子がどう運動したら楽しい時間をつくれるか、僕なりにフォローできたと思います。私も、現在、アスリートが企業や団体と組み、地域や社会の課題を一緒に解決する社会貢献活動に取り組んでいます。アスリートの健康や食、運動等のノウハウを共有することで、よい社会をつくっていきたいです。
高田 SVAにも通ずるものがあります。住友生命は、生命保険を超え、「生きる」ということをどうサポートしていくかを会社の大きな方向性にしています。スポーツは、する側も応援する側も心が動かされる素晴らしい取組みなので、このような事業をもっと展開していきたいと思っています。
(注1)スミセイ “Vitality Action” (S)スミセイ・(V)バイタリティ・(A)アクションとして全国で小学生親子対象のスポーツ教室を実施

住友生命「Vitality」の成果

高田 2018年に健康増進型保険住友生命「Vitality」を発売しました。現在70万人以上の加入者がいますが、93%の方に「加入前より健康意識が上がった」と回答いただき、「健康になった」「日常が変わった」等の肯定的なお声もいただいています。
廣瀬 気持ちの面だけではなく、実際に加入者の健康診断結果が改善するなど、ファクトでも寄与していますよね。健康に暮らしている人にも価値がある仕組みが素晴らしいです。
高田 日本は、自立して健康に生活できる健康寿命と平均寿命との差が、男性で約9年、女性で約12年あります(注2)。つまり、誰かのお世話にならないといけない期間が長いのです。人々の健康寿命を延ばし、この期間を縮めていくのが私たちの使命です。産業技術総合研究所の持丸正明先生によると、積極的に健康づくりをする人は3割で、残り7割は今でなくてもいいと思っている。健康は最大の後回し資産と言われています。 前向きに取り組んでいただくにはどうしたらよいか。住友生命単独では無理でも、共鳴してもらえる企業と提携し、楽しみながら運動習慣を身に着けていただけるよう、サポートしていきたいと思っています。
(注2)出典元平均寿命:「平成28年度簡易生命表」(厚生労働省)健康寿命:「平成28年国民生活基礎調査」(厚生労働省)

SDGs 達成へ向けた取組み

高田 廣瀬さんは国内外のアスリートをサポートすることで、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を実践されていますね。
廣瀬 みんながスポーツを楽しめる環境をつくるため、LGBTQや女性アスリートへの支援に力を入れています。また、子どもにスポーツをさせたいという親を増やすため、アスリートのセカンドキャリア形成も大きなポイントだと思っています。アスリートと親和性のあるスポーツや健康、食を通しても貢献していきたいですね。企業のSDGsへの取組みはいかがですか。
高田 住友生命の保険のベースには、「悲しみとともに貧しさが訪れないように」という使命があります。万が一の場合や病気の後の経済的損失に備えることは、貧困をなくすというSDGsの一部にあたります。それに加えて、「Vitality」を中心に、一人ひとりの身体的・社会的・精神的な健康に貢献する取組みも進めています。また、全国4万人以上の職員の中にSDGsを浸透させ、各地で社会貢献活動を展開することや、金融機関として2050年のカーボンニュートラル実現に向けた投融資を行うこと等、さまざまな方法でSDGs達成に貢献していきたいと考えています。

ウェルビーイングについて

高田 住友生命では「一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイング」に貢献する企業を目指しています。廣瀬さんは、これからの若者がよりよく生きていくためにどういう考え方や取組み、心構えが必要だと思いますか。
廣瀬 自分がやりたいことをし、ありたい自分で生きる。そのためには、好きなこと、やりたいことを認識し、自分の軸を持つこと。そして、自分のためだけでなく、他人のため、次世代のため、自然のため、それこそ社会の健康のために寄与できるかという観点を持っているかがポイントかなと思います。
高田 今の時代は一人ひとりの価値観が大きく違うので、自分の軸を見つけることも重要になってきますね。
廣瀬 他と比べすぎず、自分のやり方でやりたいことをやる。輪が小さくても、その人たちを幸せにできたらという形で続けていくと、ウェルビーイングにつながっていくと思います。
高田 住友生命が扱う保険は期間が長い商品なので、若い方からご高齢の方までご加入いただいています。皆さまに年を重ねることを否定的に捉えるのではなく、肯定的に考えていただく、これは大変重要なことです。その中で、保険会社としてどうお手伝いし、どう寄り添えるかを大きなテーマにしながら、私たち自身もよりよく生きることで、よりよい社会・世界になっていけばいいと思っています。

リーダー像について

高田 廣瀬さんは高校、大学、社会人、日本代表と主将を経験されましたがご自身が考える理想のリーダー像を教えてください。
廣瀬 チームにはまず監督がいて、主将は選手の中でのリーダーです。言動が一致し、仲間にこのリーダーと一緒にやっていこうと感じてもらうことがポイントで、嫌われすぎないことも大事です。また、パッションや目的の共有も大切で、日本代表の時は「日本の憧れの存在になる」をチームの大義として掲げていました。
高田 廣瀬さんの著書「なんのために勝つのか。」にもありますが、勝ちにこだわると手段が目的化してしまいます。その中で大切にしている優先順位みたいなものはありますか。
廣瀬 試合に向かう姿勢・態度です。どんな準備をして、どんな姿勢で立ち向かうかは自分たち次第。勝敗がすべてではなく、それを大事にしようとみんなに話します。
高田 ラグビー選手役で出演されたドラマでは、演技していた部分と、実体験の部分が表裏一体だと思うのですが、役の中で心掛けたことは何ですか。
廣瀬 自分の人生と役に親和性があったので、あまり演技はしていません。演技が下手なのは仕方がないけれど、この役を僕が覚悟を持ってやっているという姿勢を見せることで、他の人にも、中途半端にしてはいけないと思ってもらえます。大企業の社長は、どう会社を舵取りされているのでしょうか。
高田 社長も組織というチームの中での一つの役割です。中長期的な視点で、企業が目指すべきこと、社会に対してなすべきことの方向を明確にする。そして、日々求められる判断を、勇気を持って決断する。これはどの組織でもあると思います。もう一つ、私が重要だと思っているのは「人財共育」です。共に育つという字を充てて、上司も部下も共に育つことを掲げた「共育」が、私の大きな役割だと思っています。

廣瀬俊朗

廣瀬 俊朗ひろせ・としあき

1981年10月17日生まれ。元ラグビー日本代表主将。2015年にはワールドカップイングランド大会で強豪・南アフリカから歴史的な勝利を収める。2016年3月に現役を引退、2019年3月株式会社HiRAKUを設立し代表取締役に就任。

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