海外事業を通じた収益基盤の多様化
生命保険会社としての使命を果たすためには、長期的な事業の安定性が必要です。そのため、日本国内における取組みに加え、海外生保市場の収益性・成長性を当社グループ内に取り込むことで収益基盤を拡充し、国内生保事業の持続可能性を強化するとともに、海外出資先等と協働し「保険を通じた安心の提供」といったそれぞれの国・地域に根付いたウェルビーイングへ貢献していくことが重要であると考えています。
当社では、海外生保市場のうち、規模・成長性の観点から北米とアジアを事業の軸と定め、海外事業を推進しています。
今後は、既存の出資先における企業価値向上に向けた取組みに加え、新規M&Aについても引き続き検討していきます。また、海外事業の推進に伴って必要となるガバナンスの継続的な改善、海外事業を支えるグローバル人財の育成にも取り組んでいきます。
海外事業の全体像

出資先企業のご紹介
米国
シメトラは、1957年に設立され、3つの保険事業部門(個人年金部門・企業保険部門・個人保険部門)を通じたバランスの取れた事業ポートフォリオによる安定した収益性、保守的な資産運用方針等に基づく高い健全性を有する米国の生命保険グループです。同社へ取締役を含む役職員を派遣し、各部門の業務遂行状況の確認を行うとともに、経営上の重要課題について定期的に協議する等、積極的に同社の経営に参画しています。
シンガポール
シングライフは、2017年の創業当初からデジタルを活用したビジネスモデルに強みを持ち、2020年には英Aviva社のシンガポール事業を買収するなど、順調に業容を拡大しており、現在では多様な商品・販売チャネルを有するシンガポール大手生命保険会社の一角に成長しました。
同社には取締役を派遣することに加え、現地駐在員事務所による現地でのコミュニケーションを通じて、同社の成長を推進し、グループシナジーの発揮・最大化に取り組んでいきます。
ベトナム
ベトナム最大手の保険・金融グループであるバオベトHDは、傘下に、生命保険、損害保険のほか、証券会社、アセット・マネジメント会社等を保有し、2023年の生命保険の収入保険料は第1位となっています。同社へ取締役を派遣し、生命保険事業を中心とした技術援助を行っています。
出資比率:22.08%
インドネシア
インドネシアの大手国営商業銀行であるバンク・ネガラ・インドネシアの生命保険子会社であるBNIライフは、同銀行の約2,000の支店網を活用した銀行窓販をはじめ営業職員、従業員福利厚生およびシャリア(イスラム法に基づく保険商品の販売)の各販売チャネルを通じて、個人および団体向け保険を提供しています。同社へ取締役・監査役を含む役職員を派遣し、銀行窓販、団体保険、リスク管理などの技術援助を行っています。
出資比率:39.99%
中国
PICC生命は、約8万人の保険代理人(営業職員)や銀行窓販などによるマルチチャネル戦略を進めて順調に業容を拡大しており、2023年の収入保険料は、同国の生命保険会社93社中第8位となっています。同社へは取締役の派遣等を通じ経営に参画しています。
出資比率:10.00%
