ICT活用・デジタル化の取組み

お客さま体験価値の最大化に資する取組み

 住友生命では、経営戦略とIT・デジタル戦略を融合させ、お客さま体験価値(CX)の最大化を目指す中期システム化計画(2022)を策定し、常に先進的なICT(情報通信技術)を取り入れ、サービスの更なる高度化に取り組んでいます。

 中期システム化計画(2022)に基づき、「デジタル」「人に根差した価値」を融合させることで新たな商品・サービスを提供していく「デジタルトランスフォーメーション」の実現に向けた取組みを推進しています。

 2020年度には、社内外の様々なデータを用いて、新たな商品やサービスの提供を実現すべく、ビッグデータの蓄積、整備、自動分析等の機能を備えたスミセイデータプラットフォーム(データ分析環境)を構築し、順次分析を進めています。併せて、データサイエンティストの育成や社内のデータリテラシー向上の取組みも実施しています。これらの取組みを通じて、AI(人工知能)の幅広い活用に取り組んでいきます。

 また、お客さまへの新しい経験・価値の提供や社会課題解決などを図るため、デジタル技術を活用して革新的なビジネス・サービスをスピーディに創出し、ビジネスを変革していくことを目的として、「デジタルイノベーション」にも取り組んでいます。そのため、2018年4月に「スミセイ・デジタル・イノベーション・ラボ」を東京と米国シリコンバレーに開設、2020年4月にはデジタルイノベーション推進室として正式に組織化しました。

 国内においては、関係部門と連携しながら、最新技術の情報収集、販売活動やサービスの高度化に向けた検討を進める一方で、特定の事業分野に強みを持つスタートアップ企業やVC※1への戦略的な出資を行うことで、ネットワーク構築や人材育成、事業創出プログラムへの参加を通じたデジタルイノベーションの加速を図っています。

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 海外においては、シンガポールで「デジタルを活用した障がい者の就労支援プロジェクト」を推進しており、現地企業、政府系機関、多国籍企業等と連携しながら、アクセラレーションプログラム等を実施するなど、デジタルを活用した障がい者就労のモデル創発に、異業種とともに取り組んでいます。


※1  VC(venture capital:ベンチャーキャピタル)とは、事業会社や機関投資家から資金を集め、ベンチャー企業に投資をすることで、投資先企業の成長を支援し、資本収益の獲得を目的とした機関です。

次期システムアーキテクチャ構想の策定とデジタルプラットフォームの構築

 中期システム化計画(2022)においては、上記のようなICTの活用やデジタル化の取組みを支える基盤として、当社システムの次期アーキテクチャ構想の策定およびデジタル化推進のためのプラットフォーム構築を進めています。

 お客さまへのサービス提供の迅速化や業務の効率化等を実現するため、自社のみでシステム構築するのではなく、クラウドファーストを前提に社外サービスを適材適所で積極的に採用しています。

 異業種との連携による新しい価値・サービスの提供実現に向けて、社内外のシステムをつなぐAPI※2連携基盤も新たに構築しました。

 また、圧倒的に優れたUI(ユーザーインターフェイス)とUX(ユーザーエクスペリエンス)を備えたモバイルアプリの提供を目指す取組みも進めています。

 さらに、お客さまの体験価値向上や迅速かつ柔軟なシステム開発の実現のため、アジャイル開発などの新たな開発手法にも取り組んでいます。

※2  Application Programming Interfaceの略。特定のシステムに対し別のシステムから動作させ情報の取得・連携を行うシステム間のインターフェース。