デジタル&データ

「 デジタル&データ」の定義と役割

 現代社会においては、デジタル技術やデータの活用により新たな商品・サービス・ビジネスモデルが生まれ、社会の発展や企業の成長につながっています。当社においては、この「デジタル&データ」を「住友生命グループVision2030」の実現に向けた各取組みの“推進エンジン”として位置付けています。

 「デジタル&データ」とは、人の力だけではできないことをデジタルとデータで補完し、人とデジタルが融合した新たな価値を提供することを指します。デジタルとデータが持つ可能性を最大限に引き出すことで、新たな商品・サービスの創出、顧客体験価値の最大化を図り、お客さまのよりよく生きる=ウェルビーイングに貢献していきます。

 また、「デジタル&データ」の価値を発揮させるため、2023年4月に「デジタル&データ本部」を設置しました。「デジタル&データ本部」は、住友生命グループ全体におけるデジタル化・データ活用の全体構想を企画・リードするとともに、各部門におけるデジタル化・データ活用の実行支援や全体最適化の役割を担います。この新たな体制により、「 住友生命グループVision2030」の実現に向けた取組みを力強く推進していきます。

デジタル&データ戦略

 住友生命では、生命保険を“Well-being as a Service(WaaS)”すなわち、「よりよく生きるためのひとつのサービス」であると位置づけています。パートナー企業と提携し、既存の生命保険ビジネスの枠組みを超えた新たなWaaSサービスを創出することで、“住友生命「Vitality」”を中心としたエコシステムの構築を目指します。 

 これにより、最適な保障の提供はもちろん、一人ひとりにパーソナライズされたサービスを複合的に提供することで、お客さまの「ウェルビーイング」に貢献していきます。

① 商品・サービス拡充

  デジタルとデータの力を活用することで、従来の保険商品に加え、Vitalityサービスのさらなる進化や非保険領域におけるウェルビーイングサービスの創出を目指します。これにより、多様化するお客さまのニーズやライフスタイルに合わせた商品・サービスをお選びいただけるようになります。

② お客さま接点拡大

  ウェルビーイングサービス創出のためには、自治体、法人、プラットフォーマーなどの新たなビジネスパートナーとの協業・共創が必要となります。ビジネスパートナーの抱える顧客基盤を活用することで、お客さまとの接点拡大を図り、より多くのお客さまに向けて「ウェルビーイング」の価値をお届けします。

③ パーソナライズされた価値の提供

  お客さまとの接点データや住友生命ならではの健康データなどを蓄積・活用し、複数の商品・サービスとを組み合わせることにより、お客さま一人ひとりに最適化された顧客体験価値の創出を目指します。

④ デジタル・データを活用した事業基盤の安定化

  ジェネレーティブAIを始めとした最新のデジタル技術を活用することで業務の効率化・自動化を図り、顧客体験価値の向上に資するとともに、労働人口の縮小が進んでいく環境下においても業務の継続を可能とすべく、事業基盤の安定化を進めます。

デジタル&データ

デジタル化・ICT(情報通信技術)活用推進

お客さま体験価値の最大化に資する取組み

 住友生命では、経営戦略とIT・デジタル戦略を融合させ、「ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない保険会社グループ』」の実現、およびスミセイ中期経営計画2025の実現と計数目標達成のため、「スミセイ中期システム化計画2025」を策定し、常に先進的なICT(情報通信技術)を取り入れ、サービスの更なる高度化に取り組んでいます。

 データの蓄積、整備、自動分析等の機能を備えたスミセイデータプラットフォーム(データ分析環境)を構築し、ウェアラブルデバイスから取得される運動データ等を活用した健康増進型保険“住友生命「Vitality」”のさらなる進化をはじめ、お客さまのウェルビーイングに貢献するため新たな商品やWaaS※1の提供に向け、様々な分析を進めています。

 また、お客さまニーズの多様化に対応するとともに、さらなる利便性向上のため、お客さま向けのモバイルアプリである「スミセイ・デジタルコンシェルジュ」を2023年4月にリリースしました。本アプリは、スマートフォンの機能を活用し、生体認証の設定により既存のスミセイ・ダイレクトサービスも含めて簡単にログインすることができ、資料請求や保険プランの作成依頼を始め、プラン内容の確認からお申込みまでをワンストップでお手続きいただけます。

 今後も、継続的に搭載機能・提供サービスの拡充を行い、「デジタル」と「人に根差した価値」を融合させることで、お客さまに寄り添ったサービスの提供を推進していきます。

※ 1 Well-being as a Serviceの略。「一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイング」を支えるためのサービス。

次期システムアーキテクチャ構想の策定とデジタルプラットフォームの構築

 「スミセイ中期システム化計画2025」に沿って、デジタル&データを推進するための新たなアーキテクチャやプラットフォームについても導入・構築を進めています。

 今後、様々なパートナー企業や社外サービスをより迅速に活用するために、エクイニクス・ジャパン株式会社が提供する「Platform Equinix®」を導入しました。これまで、クラウドファーストによる社外サービスの採用やAPI連携基盤※2による社内外との接続を進めてきましたが、さらに当社のシステムと様々なクラウドサービスとを安定的かつ効率的に連携することが可能となります。今後、異業種企業とのシステム連携を加速し、一人ひとりのお客さまにより適したサービスの提供を目指していきます。

 また、当社における約50,000台の端末機器へのアプリケーション更新やセキュリティパッチ適用には、現在全国の拠点に設置した約1,200台の専用サーバを用いた自社開発の配信システムを使用しています。今後、この配信機能を統合型エンドポイント管理プラットフォームである「Tanium」に置き換えることで、専用サーバの撤廃を実現します。これにより、温室効果ガス排出量の削減も可能となり、住友生命グループVision2030に掲げる「カーボンニュートラル実現に向けた地球環境の改善」にも貢献します。

※ 2 Application Programming Interfaceの略。特定のシステムに対し別のシステムから動作させ情報の取得・連携を行うシステム間のインターフェース。

Tanium

次期システムアーキテクチャ構想の策定とデジタルプラットフォームの構築

 デジタル化推進に向けては、デジタル技術・ICTの活用に加え、多様なスキルを持った人財を育成していくことが必要不可欠です。

 先進技術に興味を向け、専門知識を持ち、これらを活用していくためのアイデア・発想力を発揮できる人財を育成・確保していくことを目的として、新卒採用においては「デジタル・システム」コースを設置しております。インターンシップにおいても「DX・デジタルビジネス発想コース」を開催しており、DXを推進する当社職員との対話やワークショップを通じ、デジタルビジネス全般を学び、当社に興味を持っていただけるような取組みを進めています。

 加えて、急激な環境変化とデジタル案件の増加によって、各システムの利用部門においてもDX・デジタルに関わるスキル・知識が必要となり、新しいデジタルツールを利用するユーザー個々人のITリテラシー向上も必要となっています。

 当社においては、各領域での「デジタル人財」の定義を明確にし、それぞれに必要な教育を進めていきます。

デジタル人財の定義