人生100年サポート部長メッセージ

2022 千葉執行役員

 「高齢化」という言葉は、一般的にはネガティブに捉えられがちです。しかし、誰もが健康で長生きすることを望めば、必然的に高齢化していくわけですから、本来はポジティブなものであるはずです。だからこそ、ネガティブな捉えられ方を変えたいという強い想いがあります。それを実現すれば、きっと誰もが明るくいきいきと生きられる社会に変わります。

 私がそう思うようになった発端は、高齢社会の様々な課題を研究する学問であるジェロントロジーについての学びでした。様々な学問的観点から老年を研究した結果、高齢化をネガティブに捉える感覚は誤りであることを知りました。そして、誤った認識によるお客さまへのアプローチは、誤ったソリューションの提供につながります。高齢者について正しく理解することによってこそ、お客さまの自律的な人生設計への支援ができると思っています。

 一方で、高齢化の進行に対し、自助によって社会保障を補完するという観点で、それぞれのお客さまに寄り添ったコンサルティングが求められます。その点、当社は営業職員(スミセイライフデザイナー)がそれを担い、力強く進めています。今後は、その仕組みをさらに進化させ、お客さまの多様性に応じて、お一人おひとりに合ったサポートを行っていきたいと考えています。

 住友生命は経営戦略として、「一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイング」に貢献することを掲げています。「Vitality」で健康増進を後押ししながら、その先までサポートし続けることで、一生のウェルビーイングに一貫して貢献できます。

 高齢化が進み、お客さまと会社の2者だけの関係ではなく、各地域の中でお客さまを守ることが非常に重要になってきていると考えています。住友生命では、地域包括支援センターとの関係作りをスタートさせるなど、社外との連携も積極的に進めており、そのことがお客さまへのより深い理解につながるという好循環が生まれています。このような取組みを通じた十分な理解があってこそ、お客さまに適切な情報を提供することができると考えています。

 その一つの形として、営業職員のコンサルティングをサポートする「シニアライフガイド」という冊子を新たに作りました。また、「ウェルエイジングサポートあすのえがお」では、介護について、相談からサービスの紹介まで一貫して対応できる相談窓口を設置し、情報提供の場を広げています。

 また私自身の経験から、今後の体制充実に当たって重要な要素になるのが「リテラシー」と考えています。例えばジェロントロジーの知見に基づいて企画された情報提供冊子や諸施策は、事業推進の原動力になっていると思います。その観点から、社内にジェロントロジー検定受験を推奨し、さらに、認知症を正しく理解するために、認知症サポーターも養成しています。

 ウェルビーイングの在り方は人それぞれです。だからこそ、営業職員がそれぞれのお客さまに寄り添い、各地域と連携することに意味があります。当社では、生命保険を中心とした“Well-being as a Service(WaaS)”の拡大を推し進め、ウェルビーイングを支えるサービスをエコシステムとして提供しています。それによりお客さまの人生に最後まで寄り添い、必要なサービスをトータルでお届けするのが、当社が最終的に目指す姿です。高齢者というのは一つの枠組みに過ぎず、人生そのものに対して生命保険会社が向き合う姿勢こそが大切だと思います。